研究課題/領域番号 |
60571084
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人類遺伝学
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研究機関 | 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所 |
研究代表者 |
小笠原 信明 心障者コロニー, その他, 研究員 (00090415)
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研究分担者 |
山田 裕一 愛知県心身障害者コロニー, 発達障害研究所・生化学部, 研究員
後藤 治子 愛知県心身障害者コロニー, 発達障害研究所・生化学部, 研究助手
YAMADA Yasukazu Department of Biochemistry, Institute for Developmental Research, Aichi Prefectu
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 赤血球 / AMP deaminase / アイソザイム / ヒト / 完全欠損 / 酵素欠損 / プリン代謝 |
研究概要 |
AMP deaminaseにはヒトでは赤血球型の【E_1】,【E_2】、筋型のM、肝型のLの4型が存在する。1978年米国のFishbeinらによってM型の欠損症が報告されたが我々は世界で最初に赤血球型アイソザイムの完全欠損例を発見し、これまでの研究で以下の結果を得た。 1.約25000の血液検体をスクリーニングし、これまでに5例、家族調査から1例、計6例の完全欠損を発見した。欠損例には血液学的異常は認めず、すべて健康である。血清尿酸値は正常値の下限である。 2.解糖系への影響を考え2、3、diphosphoglycerate(DPG)とATPレベルを測定したところ、DPGには差を認めないが、ATPレベルは明らかに高値を示し、コントロールの約50%増であった。 3.アデニンヌクレオチドの代謝を検討したところ、欠損例ではアデニンヌクレオチドの分解が非常におそくなっていた。従って欠損例の赤血球は、アデニンヌクレオチドプールを効率よく維持していると考えられる。 4.欠損は赤血球型のアイソザイムのみにおこり、L型のアイソザイムを持つ單核球や血小板の活性は正常である。 5.完全欠損例2例でEBウィールスでトランスホームしたB-リンパ芽球株を樹立しえた。将来、遺伝子レベルでの欠損メカニズムの解析に有用である。 6.家系調査から、この酵素欠損の遺伝型式は常染色体劣性遺伝であることが明らかになった。変異遺伝子の頻度は高く、30人に1人の割合でヘテロが発見できる。この頻度は日本全国,ソール,台北で同じであった。イスラエル,ベルギーではこの割合でヘテロが発見できないとの連絡をえているので、この欠損は東洋人に特異である可能性がある。 7.遺伝子レベルでの欠損メカニズムの解明を目標に、抗体をつくりつつある。
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