研究課題/領域番号 |
60571088
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用薬理学・医療系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
神谷 晃 京大, 医学部, 助手 (90124792)
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研究分担者 |
乾 賢一 京都大学, 医学部, 講師 (70034030)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ループ利尿剤 / フロセミド / ファルマコダイナミクス / 尿中(【Na^+】+【K^+】)排泄速度;肝疾患 / 腎疾患;アルドステロン / 濃縮能 / Aldosterone |
研究概要 |
繁用ループ利尿剤のフロセミドをモデル薬物とし、ラット及びヒトの正常時並びに病態時におけるファルマコダイナミクスとその変動要因について解析し、以下の知見を得た。 1.利尿効果の定量的解析法の確立:動物実験において、フロセミドの作用機序を考慮した新たな薬効評価法を確立した。即ち、薬効の指標としては、従来より用いられてきた尿中【Na^+】排泄速度よりも、尿中(【Na^+】+【K^+】)排泄速度を用いる方が妥当であると判断された。 2.他剤併用時における利尿効果の変動:併用剤としては血圧・腎血流量を変化させることが知られているドーパミン及び心房性ナトリウム利尿ポリペプチド(AMP)を用いた。腎より単離したopical及びbasolateral membraneに対する結合実験では、ANPがbasolateral membraneに結合することを認めたが、in vivo実験においてANP単独では単時間しか利尿効果を示さなかった。一方、これらの化合物とフロセミドとの併用時には、両者ともフロセミドの利尿効果を増強した。しかし、その効果は、フロセミド排泄の促進が主因であることが明らかとなり、血圧、血流量は感受性に直接の影響を及ぼさないことが示唆された。 3.病態時における利尿効果の変動とその要因:尿中へのフロセミド排泄速度と(【Na^+】+【K^+】)の排泄速度との関係をプロットした反応曲線より、急性肝障害ラットでは利尿効果の低下が明らかとなった。一方、腎障害ラットでは反応曲線が左側にシフトし、尿中フロセミドに対する見かけの感受性が亢進していた。腎疾患患者でも一部でこれと同様の傾向が認められた。この原因として、肝・腎疾患時共、アルドステロン等の内分泌系の関与による濃縮能の変動が関与することが明らかとなった。
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