研究分担者 |
二宮 一弥 神戸女子薬科大学, 薬学部, 教授 (00068321)
山永 弘乃 神戸女子薬科大学, 薬学部, 助手
西口 嘉乃 神戸女子薬科大学, 薬学部, 助手
小林 吉晴 神戸女子薬科大学, 薬学部, 講師 (20133647)
YAMANAGA Hirono Kobe Women's College of Pharmacy, Faculty of Pharmacy, Assistant
|
研究概要 |
11-Deaxycorticosterone(DOC)の19位メチル基の新規代謝経路の検索を試みた. その結果, ウシ副腎皮質ミトコンドリア分画を用いた生合成実験により DOC 19-OH-DOC 19-oxo-DOC 19-oic-DOC の代謝経路の存在を支持するデータが得られた. DOCの19位の水酸化反応は, 11β位, 18β位の水酸化反応と比較すると, ほぼ同程度であり, 19-OH-DOCおよび19-oxo-DOCの水酸化反応速度はDOCのそれの約5倍であった. 酵素に対する親和性は19-OH-DOCおよび19-oxo-DOCに比べて低いが, これらの結果はDOCのC-19位酸化経路の存在を示唆するものと考えられる. また, 各反応段階は, 補酵素NADPHと分子状の酸素を必要とする酸化反応であり, 一酸化炭素またはメチラポン(0.01〜1.0μM)で阻害され, シアン化カリウム(0.01〜0.1mM)では阻害されない. このことから, DOC, 19-OH-DOC, 19-oxo-DOCのC-19位酸化反応にはcytochromeP_<450>が関与している可能性が示唆された. 我々の実験では, 19-oic-DOCが生合成実験における最終生成物であり, 19-nor-DOCは見出すことはできず, 副腎以外の部位で19-nor化が起こるのではないかと考えられる.
|