研究課題/領域番号 |
60580009
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
プラズマ理工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
阿部 宏尹 京都大学, 工学部, 講師 (30026140)
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研究分担者 |
板谷 良平 京都大学, 工学部, 教授 (90025833)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
700千円 (直接経費: 700千円)
1986年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | サブハーモニクス / シミュレーション / プラズマ加熱 / エネルギー緩和 |
研究概要 |
この研究の目的は代表者等によって発見されたω=Cn/2>Ω、即ちサイクロトロン・サブハーモニクス波による共鳴加熱の物理的な性質を調べることにある。60年度は実験家からの要請を受けて3/2Ω共鳴加熱に引き続き5/2Ω共鳴加熱のシミュレーションを行った。3/2が5/2になったことによる定性的な違いは見出せず、現象としては本質的に不変であることが確められた。昭和61年度以降は、この現象の加熱機構として異った角度から見て説明しようとする試みが現れたので対応が必要となった。これはMITポーユラブ博士によって提唱された非線形ランダウ減衰という機構で、ポンプ波以外にバーチャル波と呼ぶ2ωの波が生成されるのが特徴である。 即ち、ω=(n/2)Ωの波は共鳴的に荷電粒子の粒子軌道の位相面に島(アイランド)を形成し、荷電粒子がその島に捕捉されることにより波による荷電粒子の加速効率が良くなることが本質であると考えた。しかし、島に荷電粒子が捕捉されているだけの現象であれば比較的早い時間に加熱は飽和する筈である。真の意味で加熱現象と考えることができるためには、この加速によって得た運動エネルギーが熱に緩和される必要がある。 したがって以下のことが、シミュレーションと理論により明らかにされた。まず波の振巾を変えてシミュレーションを行い、その加熱率が非線形の特質を有していることを確認し多時間尺度法により近似粒子軌道の解折解を得た。又バーチャル波も観測したがその大きさはエネルギーでポンプ波の1割程度であり、したがって加熱への影響も高々その程度であり加熱の大部分はサブハーモニクス加熱の機構で説明できることを明らかにした。加熱の運動エネルギーの熱緩和機構としてはプラズマ中の微小な2体衝突がその役割を担っていることを明らかにした。
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