研究課題/領域番号 |
60580026
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
情報学
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
田中 初一 神戸大, 工学部, 助教授 (80031144)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1986年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1985年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 画像 / 局所エントロピー・フロー / 定エントロピーの原理 / エントロピー・フィルタ / 感覚的評価関数 |
研究概要 |
一般にアナログ情報源から得られる情報量は無限である。その時、いずれの情報を切り捨て、いずれの情報を保持するように符号化すればよいかは、極めて重要な問題である。この問題に対し、"局所エントロピー・フロー"という新しい概念を導入し、圧縮率が高くかつ感覚的に損傷の少ない符号化を行なうために有効な指針を与える"定エントロピーの原理"を設定した。これは"信号の局所エントロピー・フローが一定となるように符号化するとき、感覚的な歪みが最小となる。"という仮説である。 本研究では、まず画像情報の局所エントロピー・フローを定義し、人為的に作成した特殊な画像に適用して得られた局所エントロピー・フローの値を3次元表示した。その結果、ランダムな部分の局所エントロピー・フローの値は大きく、逆に境界部分並びに平坦部分の局所エントロピー・フローの値は比較的小さくなり、定義の妥当性が確認された。 次に、局所エントロピー・フローの値により通常の低域通過フィルタのパラメータを制御する新しいフィルタを導入し、エントロピー・フィルタと定義した。標準画像データに適用してフィルタリングの特性を検討した結果、画像の情報量は大幅に削減されたにもかかわらず、視覚特性の劣化は極めて少ないことが確認された。その結果、ベクトル量子化等による画像の符号化の前処理過程として、エントロピー・フイルタを適用すれば、低い符号化率で符号化しても、視覚的には損傷の少ない画像となることが判明した。 最後に、局所エントロピー・フローに基づく画像の感覚的評価関数を定義し、標準画像データ"SIDBA"の何枚かの画像に適用し、その関数値を求めた。その結果、相対的にではあるが、視覚特性にかなりよく合致することが確認された。
|