研究課題/領域番号 |
60580051
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
家政学
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
荒川 信彦 お茶大, 家政学部, 教授 (40017223)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ビタミンC / バイオセンサー / アスコルビン酸酸化酵素 |
研究概要 |
食品中のビタミンCの定量には、一般に2.4ジニトロフェニルヒドラジン(DNP)法が用いられているが、この方法は操作が煩雑で測定に比較的長時間を要する等の難点を有する。本研究の目的は、バイオセンサーによる食品中のビタミンCの簡便かつ迅速な定量法の確立にある。そこで、ビタミンCを特異的に酸化するアスコルビン酸酸化酵素を用い、ビタミンCの酸化反応過程で消費される酸素量を反応系の溶存酸素量の減少として測定する定量法について、その有用性の確認を行った。 酸素センサーを装着した溶存酸素計を使用して、反応系の溶存酸素消費量に影響を及ぼす測定条件を検討し、還元型ビタミンCの定量に最も適した条件を決定した。次いで、この方法を用いて総ビタミンCの測定を可能にするために、酸化型ビタミンCの至適還元条件を併せて検討した。その結果、ビタミンC高濃度試料(0.2mM以上)に対する一般的定量法ならびに低濃度試料(0.4mM以下)に対する高感度定量法の各分析条件を設定できた。両法とも、これまでの定量法と比べ、迅速かつ簡便であり、定量精度も高く、定量限界濃度は0.01mMとより低くなり、従来法よりも格段に優れていることが示された。さらに溶存酸素が量論的に消費されることから溶存酸素消費量から直接ビタミンCが測定できる利点も認められた。また、本法に対する種々の還元性物質の影響も検討したが、本法は、これらの影響を全く受けず特異性に優れていることも示された。本法を果汁試料に適用した結果、DNP法、高速液体クロマトグラフィ法および薄層クロマトグラフィ法による分析値と良好な一致が見られ、ビタミンCの真値が測定できるものと判断された。以上より、本法は操作が簡便で、ごく少量の試料溶液にも適用でき、迅速かつ正確にビタミンCを定量することが可能であり、各種の食品中のビタミンCの分析には十分利用できるものと考えられる。
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