研究概要 |
1.筋疲労時の筋電図解析の為のA/D変換,筋電振幅値,周波数パワースペクトル解析に必要な高速フーレー変換などのコンピューターサブルーチンを開発し、各種波形ジェネレーターを用い較正した結果、上述の筋電パラメーターが0.5%以内の測定誤差で可能になった。 2.後脛骨神経の経皮的電気刺激における誘発筋電図や筋出力をdeVries etal(1981)とmoritani et al(1985)の方法を用い記録し、各種刺激頻度と筋出力の関係を明らかにする為の基礎実験を行い、刺激電圧75〜110V,刺激パルス幅500μs,刺激頻度50〜80Hzの条件下でほぼヒトの随意最大筋力を誘発出来る知見を得た。 3.電気刺激時及び頭意筋収縮時においての筋線維タイプ(ヒラメ筋と腓腹筋)と筋疲労特性との関連解明の為、被験者5名を対象に実験した結果高周波(50ξ80Hz)連続刺激下では、最大筋出力が随意収縮に比較して急激に低下を示し、筋表面や筋内部に挿入したワイヤー電極で記録した誘発筋電図(M波)の解析により、筋出力低下が筋膜興奮度の低下(M波の減衰と除波化)に起因している事が明らかになった。 4.最大随意収縮時においては、電気刺激時にみられたhigh-freguency fotigue現象は認められなかったが、運動単位のインパルス発射頻度及び振幅値が減少し、表面筋電図平均周波数も徐波化し低い周波数帯域へ移行することが明らかになった。この現象はfast-twitch fibersを多く含む腓腹筋で顕著に認められ、筋疲労時における筋膜興奮水準維持に筋線維の代謝特性が大きく関与している事が示唆された。
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