研究概要 |
私達は, ヘビースモーカーだった中年男性が禁煙をし, それと同時に持久性のトレーニングを始めた場合の心拍数, 心電図波形上のSTレベル, STスロープ, 呼吸数, 換気量, 酸素摂取量などについて禁煙時, その後トレーニング開始後1週間目, 2週間目, 3週間目, 4週間目, 6週間目, 8週間目, 6箇月目と運動開始後の早い時期を中心にその変化を観察した. その後はほゞ6箇月おきに3年間測定をし, その経過を比較検討した. その結果, 以下のような成績を得た. 1)安静時心拍数は, トレーニング前と比較して有意な減少傾向を認めた. 2)運動負荷時の心拍数は, トレーニングを重ねるに従い,運動中の増加量が徐々に減少する傾向が認められ, 回復時には回復が徐々に早くなる傾向が認められた. 3)運動負荷時のSTレベルは, トレーニングを重ねるに従い, 低下の量が徐々に減少する傾向が認められた. 4)運動負荷時のSTスロープはトレーニングを重ねるに従い, 増加した状態での動揺が少なくなる傾向が認められた. 5)運動負荷時の呼吸数は, トレーニングを重ねるに従い減少する傾向が認められた. 6)運動負荷時の積算換気量は, トレーニングを重ねるに従い, 減少する傾向が認められた. 7)運動負荷時の積算酸素摂取量は, トレーニングを重ねるに従い, 減少する傾向が認められ, 呼吸1回当たりの酸素摂取量はやや増加する傾向が認められた.
|