研究課題/領域番号 |
60580108
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 日本女子体育大学 |
研究代表者 |
加賀谷 淳子 日女体大, 体育学部, 教授 (80083096)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1986年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1985年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 下腿血流量 / 運動開始時 / 適応速度 / 子供 / t1 / 2 |
研究概要 |
運動開始時の子供の呼吸循環系適応の速さを成人と比較して検討するため10-11歳男子8名と20-22歳の体育専攻の男子大学生5名を被検者にして次のような実験を行った。はじめ5分間の椅座位安静を保ち、続いて水平のトレッドミル上で30秒および5分間の走行を120m/minの速度で実施した。走行中30秒毎に【V!`】o2を測定し、ECGを連続的に記録した。また、運動直後の下腿血流量を測定した。その結果次のことが明らかになった。 1.30秒間の走行後の下腿血流量は子供では30.58±8.24m1/100m1/minに増加し、5分間走行後の平均値31.14±6.42m1/100m1/minとの間に統計的な有意差はなかった(p>0.05)。そして30秒間走後の値は5間走後の95.9%に相当していた。すなわち、子供では運動開始後30秒で末梢血流量がすでに定常状態の値に達していることがわかった。 2.成人男子の30秒間走後の下腿血流量は5分間運動後の73.8%に増加していた。これは子供の血流量増加に比べて小さかった。 3.運動開始時の心拍数は子供では30秒後134.69±7.00拍/分であり、それは定常状態の73.8%であった。したがって、心拍数の増加は下腿血流量の増加よりも遅いことが明らかになった。 4.反応が定常状態の半分に達する時間(t1/2)をV02,HRについて求めると子供では前者が18.99±5.08sec、後者は13.19±3.50secであり、両者の間に有意差があった(p<0.01)。しかし、成人と比べるとどちらも有意差がなかった。 5.以上のことから、子供では運動開始時においては循環系が【V!`】o2の増加に先行して適応し、それは中枢性のものより末梢性の適応が速いことが明らかになった。そして子供の末梢性適応は成人よりも速く起こることが示された。
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