研究課題/領域番号 |
60580109
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 日本体育大学 |
研究代表者 |
石井 喜八 日体大, 体育学部, 教授 (90060780)
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研究分担者 |
小松 敏彦 日本体育大学, 体育学部, 助手
監物 永三 日本体育大学, 体育学部, 助教授 (80097104)
阿部 和雄 日本体育大学, 体育学部, 教授 (80097089)
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研究期間 (年度) |
1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1985年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 鉄棒運動 / ストレンゲージ・バーシステム / 16ミリ映画分析 / トカチェフとび越しの力と加速度 / 分節分析法 |
研究概要 |
鉄棒運動における"開脚背面とび越し懸垂"いわゆる「トカ・チェフとび越し」を中心に運動学と運動力学の両面から分析を進めた。運動学的解析には16ミリ映画分析法を用いた。運動力学的解析には鉄棒のバーにストレンゲージを貼付し、把握運動中の力学量を求める一方、放れ技の運動中には人体の総合重心、肩峰点および大転子点、さらに足関節の各加速度を算出した。 被検者はロス・オリンピック選手の具志堅,森末の両選手を含む6名の全日本選手権上位者と、大学選手権上位者の2名の合計8名であった。 分析の観点は振り上げ時期にバーにかかる力の量と変化、手を放す局面における身体各部位の速度と加速度および鉄棒のバーを手部で引く力の大きさと方向、手を放すための直前の運動、空中姿勢から再びバーを握るまで、再びバーを握ったときのバーにかかる力の大きさと方向である。 その結果、鉄棒の直下を通過するときには体重の約5倍の力をかけて方向転換、振り上げに移る。振り上げ期の力は体重相当になるまで垂直方向に減少する。身体重心がバーの水平位まできたときに、両手でバーを斜下方に引く。この大きさは体重の2.6倍である。その方向は水平線から下方13.3度である。この力発揮は上体の姿勢を変えることに役立ち、反動として背が加速上昇し、重心はバーの上方に向って移動する。このとき手を放すのである。空中姿勢は頭部を中心にして体幹は回転運動を起し、背面姿勢から伏臥姿勢に換わる。このときのバーを通過するときの重心の距離は96.5cmであった。このことから、伸身通過の可能性が示唆される。残る問題は伸身姿勢によって背面から伏臥へと変換するときの回転モーメントをどのように得るかということで、伸身の慣性モーメントから逆算して、振りあげ期の速度、手を放すときのバーを引く大きさが現在解析されている。失敗例を調べると初速度が問題であり、発射角度のとり方ではない。
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