研究課題/領域番号 |
60580139
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
笠井 献一 帝京大, 薬学部, 教授 (40001052)
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研究分担者 |
平林 淳 帝京大学, 薬学部, 助手 (40156691)
小田 裕子 帝京大学, 薬学部, 助手 (30129986)
大山 雄二 帝京大学, 薬学部, 助手 (90129982)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | レクチン / B-ガラクトシド / ニワトリ胚 / ヒト胎盤 / アミノ酸配列 / シグナル配列欠除 / 組織化学 / 結合組織 |
研究概要 |
脊椎動物に広く存在するβ-ガラクトシド結合性レクチンの意義を解明すべく、ニワトリ・マウス・ヒトのものを取上げ多角的に研究を行った。化学構造に関しては、ニワトリに存在する2種類のイソレクチン(14K型と16K型)のうちの14Kの完全なアミノ酸配列を決定し、これが現在までに知られている蛋白質のどれからも離れた特徴あるものであることを示した。cDNAの配列も決定し、両者の間に矛盾のないことを確認した。ただし、mRNAのコーディング領域最初のメチオニンは生合成後に除去され、新らたなN末端はアセチル化される。シグナル配列は存在せず、このレクチンがいかにして細胞外へ輸送されるか、未知の機構の存在を示唆している。ニワトリ16Kおよびヒト胎盤のレクチンについても、部分的に配列を決定し、部分によっては著しい相同性を見出し、これらレクチンが予想以上に進化のうえで深く関連していることがわかった。ヒトにおけるレクチンの分布を検索する過程で、臍帯にも存在することが示唆されたので、単離精製し詳細に諸性質を検討したところ、胎盤由来のものと全く同じであった。蛍光抗体法により分布状態を検討したところ、臍帯の結合組織に多く存在した。他の組織ででは肝や肺の非実質細胞に多く、また肝ガン・肺ガンにおいては結合組織に特に多く見られ、ガン組織の維持・成長に深く関っている可能性をうかがわせた。免疫化学的研究の一環として、ニワトリ14Kに対するモノクローン抗体を作製した。そのうちの一種はレクチンの立体構造変化を識別しうるものであり、今後有効に利用できると期待できる。ヒトレクチンの生物活性を種々検討したところ、マウスおよびヒトのマクロファージを刺激して、ガン細胞殺傷因子の放出を促すことがわかった。以上のように、このタイプのレクチンについて多くの新しい知見を得ることができた。
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