研究課題/領域番号 |
60580167
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線生物学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石井 裕 阪大, 医学部, 助手 (20028509)
|
研究分担者 |
品川 日出夫 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (40029799)
加藤 武司 大阪大学, 医学部, 講師 (90028382)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1986年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1985年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 変異原特異性 / シャトルベクター / HPRT / マウス培養細胞 |
研究概要 |
真核細胞に対する放射線の変異原特異性を塩基配列レベルで検出する系を確立し、利用することを目的として研究を進め、次の成果を得た。 突然変異検出の標的遺伝子としてヒトHPRT(ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ)のcDNAを用いた。このcDNAをレトロウイルス由来のシャトルベクターpZIP-NeOSV(X)1に挿入し、HPRTおよびNEO(ネオマイシン抵抗性)遺伝子が発現しているベクターpZIP(X)HPRTを得た。このベクターを3通りの方法でマウスBalb/c3T3細胞由来のHPRT欠損株2TGORに導入した。第1はpZIP(X)HPRTをリン酸カルシウム法で導入する方法、第2はpZIP(X)HPRTをへルパーウイルス(モロニー白血病ウイルスのパッケージング機能に関する部位を欠いたDNAをくみこんだプラスミド【pMOV4^-】)と同時導入する方法、第3は、第2の方法で得られた細胞株の培養液中に存在する欠損ウイルスを2TGORに感染させる方法である。これら3通りの方法で形質転換細胞【HAT^R】【NEO^R】が多数得られ、そのうち【6TG^R】への自然突然変異頻度が低いものが6株得られた。このうちエチルメタンスルホン酸で【6TG^R】が誘発されるものは3株であった。さらにcos細胞との融合によって、染色体にくみこまれているベクターDNAが回収できるか検討した。回収ベクターの多くは、回収の段階で欠失、再構成がおこっており、intactなベクターが効率よく回収できたのは、第3の方法で得られたvHPRT-12の1株であった。この株より回収されたintactなベクターに含まれるHPRTの塩基配列分析を、合成プライマーを使いdideoxy法で行った。HPRT遺伝子のアミノ酸翻訳部分である654塩基対は既に発表されている塩基配列と一致した。vHPRT-12が得られ、導入したHPRTcDNAも回収、塩基配列が決定できたことにより、本研究の目的である実験系の確立が達成できた。現在、自然およびX線照射によって得られた【6TG^R】【NEO^R】変異細胞からintactなベクターが回収されている。
|