研究課題/領域番号 |
60580176
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山根 義宏 名大, 工学部, 助手 (60115649)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1985年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 臨界安全 / 相互干渉 / 結合係数 / アルゴノート型 / 近畿大学原子炉 / 分散対平均法 / データレコーダ / 不感時間 |
研究概要 |
核燃料の臨界安全管理では、核燃料ユニットを複数個配置する際の、ユニット間中性子相互干渉効果の定量化法の確立が、重要な課題である。この定量化に、結合型原子炉の炉心間結合の強さを表わす指標として、従来用いられていた"結合係数"の利用を、申請者は提案してきた。 本研究では、この結合係数測定法に中性子雑音法の一種である分散対平均法を取りあげ、近畿大学原子力研究所のアルゴノート型結合炉を使って、この手法の有効性を実験的に検討した。この研究によって得られた主要な知見は、次の通りである。 1.測定系不感時間を分散対平均法のデータ処理に含める必要性が明らかとなり、新しいデータ処理式を導出して、その妥当性を確めた。 2.データレコーダを利用したデータ収集法を採用し、精度の高い測定値を得るには、4万個以上のサンプル数が必要であることを明らかにした。しかし、この収集法を利用しても、長いゲート幅では実用的な測定時間内に、4万個以上の充分なサンプル数を確保することは困難であった。 3.近畿大学原子炉の結合係数の空間依存性は弱く、この依存性を無視して評価した結合係数は、1.99±0.53ドルであった。これは、2次元2群拡散理論による計算値2.33ドルと、測定誤差の範囲内で一致した。 4.本手法では、分散相関量と共分散相関量の差を結合係数評価に使う。ところが近畿大炉のように結合係数が大きな場合きは、両相関量の値が似かよってくる。この場合には、両相関量の差を計算する際に精度の劣化が生じ、これが結合係数の大きな誤差の原因となることがわかった。 本手法を実用化するには、多入力でかつより大量のデータを高速処理できる、分散対平均法専用データ収集・処理装置の開発が、今後の課題である。
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