研究課題/領域番号 |
60580179
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
荻野 晃也 京都大学, 工学部, 助手 (40026034)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | トリトン / エネルギー損失 / 核融合 / 材料 / 加速器 / 核反応 |
研究概要 |
高速トリチウム粒子(MeVトリトン)の物質との相互作用の研究は、核融合材料等の問題を調べる為に極めて重要な基礎研究である。これに関する理論的研究は、ベーテ及びブロッホ達の仕事によって、明らかにされており、同じ速度であれば、p(陽子)、d(重陽子)、t(トリトン)の間にはエネルギー損失に差がないこととされている。これ等の同位体粒子によるエネルギー損失の比較は、pとdとの間の差については、多くの実験が行われているが、同位体効果があるとすれば一番差が大きいと思われる、pとtとの比較検討はほとんど行われていない。唯一の例は、原子炉中性子を使用し^6Li(n、t)反応によるt粒子を使用したもので、誤差も大きく、信頼度に問題のあるもののみである。測定例の少ない理由は、tの加速が困難であることにある。そこで、タンデム型加速器を使用し、直接tを加速使用する方法と、^9Be(d、t)及び^9Be(d、p)反応によるt及びpを同時に使用する方法とを使用し、tによるエネルギー損失のZ-依存性に関するデータを集収する目的で、この研究を行った。 使用した金属フォイルは、Al、Ti、Ni、Nb、Ag、Sn、Gd、Ta、Pt、Au、Pb、Biの12種類である。エネルギー損失の測定は、何度か繰り返えして行ない、tのピークはコンピュータによるピーク・フィット・プラグラムを使用して行った。金属フォイルの厚み及び一様性は繰り返えし測定及びpのエネルギー損失によって推定した。tのエネルギーは、約2.3〜5.5MeVの範囲である。pとtのエネルギー損失の比較を行ったが、誤差の範囲内で両者は一致した。 もし、エネルギー損失に同位体効果があるとしても、その差は小さいものと予想され、その点を明らかにする為には、更に精密な実験及び理論が必要である。
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