研究課題/領域番号 |
60580180
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今西 信嗣 京大, 原子エネルギー研究所, 助教授 (10027138)
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研究分担者 |
竹腰 秀邦 京都大学, 化学研究所, 教授 (90093260)
岩崎 又衛 京都大学, 原子エネルギー研究所, 教授 (10160102)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 中間子 / ミュ粒子 / 触媒 / 核融合 / クローン捕獲 / 移行過程 / 中間子分子 / エキゾチック粒子 |
研究概要 |
高エネルギー加速器を利用して生成したミュ粒子(μ)を水素同位体中にいれるとミュ粒子水素分子が生成し、重水素一重水素、重水素一三重水素等の核融合反応をが起こる。これらミュ粒子をはじめパイ中間子等エキゾチックな粒子の分子原子への捕獲の素過程およびエキゾチック粒子の移行過程について調べた。 実験は、高エネルギー物理学研究所12GeV陽子シンクロトロンを用いて行った。パイ中間子を固体あるいは気体ターゲットに入射し、パイ中間子捕獲にともない発生するX線を真性ゲルマニウム検出器で測定して、原子番号Z>2への遷移確率を求めた。水素への捕獲は、πの荷電交換反応で生じる【π^8】の2光子崩壊を鉛ガラスチェレンコフ検出器を用いて測定した。 エキゾチック粒子は、物質中で静止すると、直接原子軌道に捕獲されるもののほかに一部分子上の中間子分子軌道に捕まるものもある。この分子軌道に捕まったエキゾチック粒子は、オージェ過程を経て、構成原子の原子軌道に落ちる。この原子軌道への遷移確率は、分子内の構成原子が有する有効電荷に依存する。従って、逆に、エキゾチック粒子の捕獲確率から分子内原子の有効電荷が導出できることが判明した。 水素ガス中に不純物気体を混入した場合、水素にエキゾチック粒子が捕獲されてできるpX-粒子は中性であるため不純物気体に容易に接近でき、そこでエキゾチック粒子を重い原子に移行する。これまで希ガス等化学的に不活性な気体について実験がなされてきたが今回の分子気体についての実験結果では、移行過程は混合気体分子の分子構造に強く依存することが判明した。 得られた成果は、イオン固体相互作用の素過程とも強く関連している。今後はそれらとも連携をはかり、原子力分野における新素材の開発にも役立てていく所存である。
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