研究課題/領域番号 |
60580185
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人文地理学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
石井 英也 筑大, 地球科学系, 助教授 (60091881)
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研究分担者 |
田林 明 筑波大学, 地球科学系, 講師 (70092525)
山本 正三 筑波大学, 地球科学系, 教授 (10015513)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 陸田 / 水田転用 / 地域サクセッションの原理 / 中郊農業地帯 |
研究概要 |
わが国では高度経済成長期以降、陸田の造成が盛んに行われた。とくに北および東関東など、台地の卓越する地域では陸田は一種の福音と考えられたしかし、その後まもなく始まった米の生産調整によって、陸田の価値は一時消滅するかにみえた。ところが最近では、陸田の条件をうまく活用し、それを施設園芸や蔬菜栽培に転用することによってより収益性の高い農業地域に脱皮するような例が現われてきた。そこでこの研究では陸田化の過程、その後の利用・転用の実態を把握し、台地利用にとっての陸田の意義、ひいては地域サクセッションの原理と地域性を解明することを目的とした。 2年度にわたり、茨城・栃木・群馬を中心に広域的に資料収集を行ったが、データの信頼性を問題点の明確化のために、とくに茨城県に対象地域を限定して取りまとめを行った。その成果は、研究成果報告書で明らかにしたとおりである。茨城県を例に全体的な傾向分析を行い、茨城県鉾田町と波崎町を事例地域として詳細な地域調査を行った。その結果、「陸田は台地利用の高度化に大きな役割を果たしてきた」という我々の仮説が一部では裏づけられたが、いくつかの地域では逆に粗放的利用に供されているような例もみられ、陸田の利用・転用の実態とその意義を解明するには、該当する地域のシステムが安定しているか、あるいは著しく変革中か、あるいはどんな就業構造上の特徴をもっているか、営農上の特徴はどうかといった地域特性に関する考察が不可欠であることがわかった。事例地域として取りあげた鉾田町や波崎町は、さまざまな要因に基づく水田と畑の利用価値逆転という一般的傾向の中で、中郊農業地帯としての特徴を急速に形成させつつある地域である。筆者らは、それとはかなり性格を異にする宇都宮市周辺や那須地域、あるいは下妻市などにおいてもデータを収集したので、それらについては追って報告したい。
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