研究概要 |
1.地理学の研究・教育の場において使用される学術用語とその用法を検討する前段階として、地理学に関する内外諸文献(論文および著述)から用語を採録し、地理学内諸分野ごとに分類して、カード化した。 2.この採録語について、明確な定義づけの有無、同義語・同類語の整理(主として使用瀕度から、最も適切な用語とみなし得る語を選択した)、可能な限りの英独仏対応語の認定を行った。 3.以上の作業により、地理学の用語はその重要度において3段階のランクづけをされることが結論づけられた。すなわち、(1)地理学の原理にもとづく地理学思想の基本的本質語(地理学原理語),(2)地理学の研究にとり入れられた自然・人文・社会科学諸分野の用語,(3)明確な定義づけがなされていない語,あるいは一般語であるが、しばしば地理学研究者によって使用される語。これらのうち(1)に属する語が地理学用語として独自の價値を有するとともに、地理学以外の諸分野でも応用さるべき思考体系をもつものと考えられる。 4.本研究の逐行過程で参照した国際地理学会議ターミノロジー研究部会の集録リストは、対応外国語の検討の上に有益であったが、一方同リストの編集方針および集録語の選択について若干の提言をする必要を認めた。 5.地理学原理語について、日英独仏対応語の私案を作成した。同義語・同類語は省略し、対応関係の検討のさい、用法上の実際面を考虜して疑問のある場合はなるべく採録を見合わせた。 6.この課題に関する研究を今後も続ける意図のもとに、その目標として対応外国語の検討をさらに深めること、上記3(2)の地理学周辺の研究用語について同様の適正化の作業を進めることを考えている。
|