研究課題/領域番号 |
60580205
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子遺伝学・分子生理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
八木 直人 東北大, 医学部, 助手 (80133940)
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研究分担者 |
松原 一郎 東北大学, 医学部, 助教授 (90010040)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 筋収縮 / X線回折 / カルシウム / 細いフィラメント |
研究概要 |
食用ガエル半腱様筋の収縮中のX線回折パターンを、二次元X線検出器を用いて記録した。半腱様筋は太いフィラメントと細いフィラメントの重なりの無いサルコメア長(4.0μm以上)に引き伸ばした。発生張力は小さく(0.2Kg/【cm^2】以下)、その大部分は回折パターンを生じていない腱に近い部分で発生していると考えられるので、収縮中のX線回折強度の変化はミオシンとアクチンの相互作用の結果ではなく、細胞内カルシウム濃度の上昇による細いフィラメントの構造変化に起因するものと思われる。細いフィラメントに由来する反射の強度変化の主要な点は次のとうりである。(1)第1層線の強度は、5.9nm層線の静止時の全強度の約50%低下する。(2)第二層線は同じく約8%増加する。(3)5.9nm層線は静止時の約10%増加する。 以上の知見に基いて、細いフィラメントの構造変化を検討した。アクチン分子のモデルとして、2つの球状のドメインの連結した形状を仮定し、トロポミオシン分子はアクチン二重らせんに沿った連続した円柱を仮定した。このモデルは各々の分子を適当に配置することにより、静止状態での半腱様筋からの細いフィラメントの回折パターンを良く説明する。このモデルでトロポミオシン分子を移動させて上記の強度変化が生じるか否かを検討したが、電子顕微鏡で見られているような程度の移動では十分ではなく、アクチン分子自身に構造変化が生じている可能性が示唆された。 高エネルギー物理学研究所放射光実験施設での実験(雨宮慶幸博士との共同実験)では、第二層線の強度変化が刺激後約20〜30msで最大に達することが見い出された。この結果も、この強度変化がカルシウムによる細いフィラメントの構造変化に起因することを裏付ける。
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