研究課題/領域番号 |
60580207
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子遺伝学・分子生理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大坪 久子 東大, 応用微生物研究所, 助手 (20158801)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1985年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 薬剤耐性因子 / R100 / プラスミド / 複製開始領域 / 一方向複製 / 安定保持領域 |
研究概要 |
薬剤耐性因子R100の複製開始には、正の制御因子RepA.1蛋白および複製開始領域(Rori)が必須である。本研究期間内に、Rori領域の分子遺伝学的解析とともに、複製の一方向性決定の分子機構の解明を試みた。以下、成果を要約する。 1.R100プラスミドの一方向複製決定の分子機構とそのモデル;R100に特異的なinvitroDNA合成系を用いて、複製の方向性および初期反応生成物の解析を行った。その結果、方向性決定に必要な情報は Rori約220塩基対上にあると結論された。複製初期に合成される新生leading鎖およびlagging鎖を分離、塩基配列上にマップしたところ、主要なleading鎖DNA合成開始点は、Ori領域より約400塩基下流に存在し、その5´端には2〜3塩基のRNAが連結していること、一方 新生lagging鎖の終結点(3´端)は、常にori領域内の特定部位にマップされることが明らかになった。したがって、R100の一方向複製は 新生lagging鎖の3´末端をRori内の一定点に終結させることによって、leading鎖のみの伸長を促し、結果として複製フォークを一方向に進行させるというモデルを提唱した。このモデルを分子レベルで実証することが 次の課題である。 2.Roriおよびその上流域の分子遺伝学的解析; Roriの機能を、更に詳細に解析する目的で、Rori(149塩基対)を化学合成したが、dnaAboxをも含めてその上流域を欠く場合、ori活性は認められなかった。塩基置換変異体の解析からは、Rori上流には、複製開始効率に関与する領域があることが示唆された。また、この領域ではDNAのbendingが観察された。 3.安定保持領域pem;Roriの約2Kb下流に、R100の宿主からの肪落防止に関与する機能をもつ遺伝子pemA及びBを発見した。両遺伝子産物は、すでにinvivoで9K,12Kの蛋白として同定されているが、脱落防止機構の解明は 今後の課題である。
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