研究課題/領域番号 |
60580214
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子遺伝学・分子生理学
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
尼川 大作 神戸大, 教養部, 助教授 (70031359)
|
研究分担者 |
林 文夫 神戸大学, 教養部, 助手 (80093524)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1986年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1985年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | ポリホスホイノシチド / ウシガエル / 視細胞外節膜 / 情報変換機構 / カルシウム / GTP結合タンパク質 / ホスホリパーゼC / イノシトール3リン酸 |
研究概要 |
脊椎動物の視細胞における光受容電位の発生は、光照射に伴う細胞内cGMPレベルの減少と外節膜のcGMP依存性イオンチャンネルとで基本的には説明できるようになった。しかし、同時に、細胞質中の【Ca^(2+)】レベルがcGMPレベルの光感受性調節に重要な役割をもつことも示唆されており、細胞内【Ca^(2+)】とcGMP代謝系との間に介在する調節系の究明が急がれている。一般に、細胞内【Ca^(2+)】の調節系を考えるとき、また【Ca^(2+)】による膜酵素の調節を考えるとき、イノシトールリン脂質の役割は極めて重要である。本研究では、カエル視細胞外節を材料とし、脊椎動物視細胞の光受容膜におけるイノシトールリン脂質代謝系の性質を検討した。特に、triphosphoinositide(TPI)分解酵素、つまり、TPI-phosphodiesterase(TPI-PDE)とTPI-phosphomonaesterase(TPI-PME)の活性を測定し、酵素の性質を検討した。シビレエイ発電器のアセチルコリン受容膜から抽出したDPIキナーゼを用いて合成した【^(32)P】-TPIを基質とし、I【P_3】や無機リン酸はDOWEXイオン交換カラムで分離した。 研究で明らかになった主な点は、(1)カエル視細胞外節部にはラット脳のそれと匹敵する高いTPI-PDE活性(約12nmole/min/mg protein)がみられた。(2)TPI-PDEは【10^(-7)】Mという極めて低濃度の【Ca^(2+)】で活性化された。光受容に伴って起こる外節内の【Ca^(2+)】濃度の変化は【10^(-7)】〜【10^(-9)】Mと考えられ、この範囲の【Ca^(2+)】変動がTPIレベルに反映される可能性が示唆された。TPI-PMEには【Ca^(2+)】の影響はみられなかった。(3)GTPおよびGDPを透析によって除いた外節標品を用いると、【10^(-7)】M共存下、非水解性GTPアナログによってTPI-PDEの活性化がみられた。また、TPI-PME活性にはこの効果は認められなかった。
|