研究課題/領域番号 |
60580220
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生体物性学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 敞 京大, 化学研究所, 助教授 (20022593)
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研究分担者 |
大井 龍夫 京都大学, 化学研究所, 教授 (00027012)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | α-ヘリクス / β-構造 / 蛋白質二次構造 / 合成ポリペプチド / ペプチド固相合成 / チオール・ジスルフィド平衡 |
研究概要 |
1.α-ヘリクスの安定度の異方性-殊に外部電荷の効果について。リシン20個からなるブロックKとアラニン20個からなるブロックAの配列が互いに逆であるような2種のブロックコポリペプチドAKとKAを合成し、円偏光二色性から溶液内コンホメーションを調べた。リシンブロックはその側鎖の電荷の有無でランダムコイルかα-ヘリクスの2状態をとり、アラニンブロックはpHに無関係にα-ヘリクスを作り易いが、2種のペプチドの中、リシン側鎖が電荷を持つpH領域ではAKの方がα-ヘリクス含量が多かった。リシン側鎖に電荷のない状態では両ペプチドは同一のヘリクス含量を示すので、上述の結果はアラニンブロックの作るα-ヘリクスはC-端側に正電荷を持つリシンブロックがある場合に安定化され、N-端側に正電荷がある場合よりヘリクス含量が高くなることを示している。これはリシンの代りにグルタミン酸(この場合は側鎖に負電荷を持つ)の入ったペプチドを用いた以前の結果と全く逆であり、ヘルクスを作った場合に生ずる電気双極子と外部電荷との相互作用がヘルクスの安定性を考える上で極めて重要であることを示すものである。 2.β-構造形成のパラメターを各アミノ酸について評価する試み。C-X-A-B-Y-C(Cはシステイン)というヘキサペプチドに於てA-Bが折り返し構造を作っていると、XとYの間のβ-構造相互作用が強くなればなるほど両端のふたつのシステイン残基間にジスルフィド結合が出来易くなる。最もβ-相互作用の強いX=Y=バリンの場合についてシステイン-シスチンの平衡をHPLCで測定することを試み、この方法でβ-構造パラメターを得ることの可能性を確認した。また今後このアプローチを本格的に進めるため、上記のタイプのいくつかのヘキサペプチドを合成した。
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