研究概要 |
1.技術科教育におけるエネルギー変換機器教材として風車をとり上げた。まず教材用風車を天候の如何に拘らず、技術科実習室内で隨時授業に使用できるよう卓上小型風洞の設計,製作を行い、つぎに風車の回転力となる翼に作用する揚力の概念を説明するための揚力実験装置を設計し、製作した。さらに揚力型高速水平軸風車であるプロペラ風車実験装置の簡易設計法を考案し、その方法に従って設計し製作した。また揚力・抗力複合型低速垂直軸風車であるサボニウス風車実験装置も設計,製作した。 2.設計,製作した小型風洞,揚力実験装置ならびに教材用風車の評価を種々の面から行った。 (1)機能面の評価として、小型風洞,揚力実験装置ならびに教材用風車全ての性能を試験し、計画通りの機能を果すことを確認した。経済面に関しては、換気扇だけが費用が若干必要であり、他の材料,部品等は安価なものを選択することが可能であること等の検討も行った。安全面についても充分考慮を払って設計を行っており、教材使用時の危険性が無いことも確めた。さらに応用面についての評価,考察を行い、小型風洞は他の空気力学的実験にも使用し得ること、揚力実験装置はベルヌーイの定理の説明や、航空機の飛行の原理の説明に最適であること、また電気領域の教材として利用可能であることなどの考察を行った。 (2)学習面における評価を行うために実験授業を2校で実施した。開発教材を用いない群,開発教材の一部を用いる群,および開発教材全てを用いる群の3群構成とし、それぞれの群に対する授業用指導案,学習プリントを製作した。教材の情意面における効果は明らかであり、開発教材の認知面における有効性も確認した。
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