研究概要 |
今日、社会は技術やシステムの高度化が一段と進行しており、社会人教育や学校教育において"映像による"知識の獲得や教育研修の重要性が増している。映像教材情報データベースJEMISSは、本研究者らの手によって構築され大阪大学大型計算機センターを通じて全国的規模での検索を可能にする一方、視聴覚センター・ライブラリーに対してはパーソナルコンピュータを利用するシステムがすでに全国6箇所で稼働している。 この種の教育現場に近い機関での検索サービスシステムは、コンピュータに不慣れな利用者を対象にしなければならないために特別の配慮を必要とする。たとえば、一般の文献検索システムではキーワードの入力や検索のための論理式を定義する必要があった。しかしキーボード操作に不慣れな利用者を対象にする場合には、キーボード操作を極力排除しなければならない。本研究ではこのような観点からできるだけユーザーフレンドリーなシステムにするためにキーワードを媒介にしたNDC検索の援助システムを開発した。 検索システムでは、キーワードを利用することが常識のように云われているが、現実に端末に向っていざ検索しようとするとき、どのようなキーワードを入力すれば良いのか分からないことが多い。一方、従来の図書検索では伝統的にNDC図書分類が利用されている。本システムもNDCによる検索モードを持っておりテンキーのみの操作で検索できる手軽さもあって利用度は最も高い。しかしある領域について系統的に引き出したり、視点を多様化しようとすると何らかの手立てが必要である。このような観点から、1)検検者に対して検索に必要な知識を提供する機能,2)検索対象領域を想定して系統的に引き出す機能,3)検索の視点を多様化するための資料を提供する盛り込んだシステムを開発し試行した。
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