研究概要 |
この研究の目的は、研究担当者自身が考案・開発した新しい原子模型・分子模型・結晶模型と、原子の〈立体周期表〉とを結合させて、単体の性質を中心にした分子・原子の教育を展開するための教材-すなわち、授業書〈原子とその分類〉とその関連教材を開発しようと意図したものであった。 この研究の当初には、原子・分子模型を厚紙で作ることを考えていたが、この研究の進行中に発泡スチロール球による原子・分子模型を生徒たちにも自作させる方法を開発することができて、さらに効果的な授業を実現できることが分かった。また、氷の結晶模型やナトリウム,食塩,グラファイト,ダイアモンドの結晶模型を製作することによって、原子・分子のイメージをさらにふくらますことができることが判明した。生徒たちよりも前にに多くの教師が興味関心を抱いてくれたのである。 この研究によって、最終的に、授業書〈原子とその分類〉を完成させるだけでなく、〈原子の立体周期表〉を印刷に付し、さらに、『原子とつきあう本-原子(元素・単体)のデータブック』という単行本も作成することに成功した。これによって、授業書〈原子とその分類〉による授業をさらに発展させることができるようになったのである。 筆者のこの研究の狙いをさらに大きくいえば、それは、原子分子のイメージをできるだけ早く導入することであったが、発泡スチロール球による原子分子模型の作成作業の導入は、小学校中学年でも原子分子のイメージと付き合う道を開くものであることが確認できた成果は大きいと考えている。この原子分子模型は、地理教育における地球儀と同じように子どもたちが小さいうちから原子分子に親しむ道を開くことになることは間違いないものと考えている。
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