研究課題/領域番号 |
60810004
|
研究種目 |
試験研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
芝 祐順 東大, 教育学部, 教授 (80012566)
|
研究分担者 |
野口 裕之 東京学芸大学, 教育学部(テスト理論), 助教授 (60114815)
|
研究期間 (年度) |
1986 – 1987
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1985年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | 語彙理解力 / 潜在特性モデル / 項目反応理論 / 適応型テスト / コンピュータ・アシステッド・テスティング / 項目プール / テスト情報量 / コンピュータ |
研究概要 |
本研究の目的は、従来型テスト方式に基く場合よりも効率良く語彙理解力の測定を行うために、適応型テスト方式(順次呈示するテスト項目をその直前までの項目に対する被験者の反応情報に基いて決定していく手続によるテストの方式)を採用したコンピュータ制御によるプログラムテストを試作し、これを実施して得られた結果に基き適応型テスト方式を評価することにある。テストのためのプログラム:初期項目の決定、逐次項目の決定、そのための被験者の理解力推定値の逐次の推定、打ち切り基準に基く終了と最終的理解力の推定などを含む一連のテスト過程をコントロールするプログラムが構成された。実験:秋田市内の私立女子中、高等学校の中学2年生から高校3年生までの計5学年のべ637名に対して本適応型テストを実験的に実施した。結果:(1)適応型テストと固定型テスト-どの被験者に対しても同じ項目群を実施する従来の固定型テスト方式と比較して、適応型テストの方が、同じ精度の推定値を得るために必要な項目数が少いという意味で、測定効率の良いテストとなっていることが示された。(2)理解力と反応時間-語彙理解力推定値の大きさと反応時間の長さとの間には相関関係のないことが明らかになった。(3)フィードバックの影響-各項目への反応直後にその反応の正誤情報を被験者にフィードバックすることで、テストへの動機づけが著しく向上することが観察された。(4)実用性の検討-コンピュータを用いたテストのやり易さ、画面文字の読み易さ、及びライト・ペンの使い易さについて5段階評定によるアンケート調査を行った結果、本方式によるテストに対して、大部分の被験者が低抗感を示さないことがわかった。以上の結果から、本研究で用いた装置によるテストは、語彙理解力の測定のみならず、他の学力測定に関しても、充分に実用化の可能性があるものと言える。
|