研究課題/領域番号 |
60840014
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学一般
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
野依 良治 名大, 理学部, 教授 (50022554)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1985年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | エノラート / 裸のエノラート / スーパーアニオン / TASエノラート / エリトロ選択性 / 非環状延伸型遷移状態 / 超カチオン / アルドール反応 / スーパーカチオン / 超反応剤 / トリス(ジアルキルアミノ)スルホニウム(TAS) / nakedness / アルキル化反応 / アシル化反応 |
研究概要 |
極性分子はそのままあるいはイオン(対)に解離して化学反応に関与する。カチオン部およびアニオン部の反応性ほその共役部の性質によって左右される。共役部の化学反応性を減少あるいは消滅することにより、その生来の性質があらわになり、したがって新規な化学的性質、反応性が期待される。このような観点から本研究を行なった。スーパーアニオン種としては、有機化学的に最も重要な化学種の一つであるエノラートの究極的な姿と考えられる裸のエノラートを選びその合成およびその反応性について検討を加えた、成果を以下に示した。 (1)ケトンあるいはフェノールのトリメチルシリルエーテルにトリス(ジエチルアミノ)スルホニウムジフルオロトリメチルシリコナートを作用し、系内で生じたフルオロトリメチルシランを真空下、除去することによりTASエノラートおよびフェノキシドを空気に鋭敏な結晶として得た。 (2)上記アニオン種はTAS対カチオンとほとんど作用がなく、非プロトン性溶媒中で合成された最も裸のイオンの一つと判明した。 (3)通常のルイス酸性金属エノラートと種々の点で異なる性質を得た。(a)アルドール型反応では、平衡はエノラート側に片寄り、水による後処理では付加物は得られない。(b)触媒量のTAS Huovideを用いるアルドール反応では出発エノラートの立体にかかわらずエリトロ体を与えた。(c)上記選択性は非環状延伸型遷移状態モデルにより解釈された。このモデルは同時期において本研究者らが超カチオン種を用いるアルドール反応によって得られる立体選択性の解釈とともに、世界ではじめての例となった。(d)本研究を発端として、超カチオンの化学やSi-F結合を利用する有用な化学反応が誕生した。
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