研究課題/領域番号 |
60840023
|
研究種目 |
試験研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
鉱物学
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
赤荻 正樹 金沢大, 理学部, 助手 (30126560)
|
研究分担者 |
木原 国昭 金沢大学, 理学部, 助教授 (70019503)
松本 〓生 金沢大学, 理学部, 教授 (20019467)
|
研究期間 (年度) |
1985 – 1986
|
研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
|
配分額 *注記 |
4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
|
キーワード | 比熱 / エンタルピー / カロリメトリー / 高圧鉱物 / 相転移 / 高精度測定 / 迅速測定 |
研究概要 |
1.前年度に引き続き示差走査熱量計を用いて微少量の鉱物の比熱が測定された。この測定データは、パーソナル・コンピュータを主体とするデータ処理システムによって直ちに解析され、比熱測定の精度が従来の同種の測定法よりも向上し、また測定・計算に要する時間が大幅に短縮化した。高温高圧下で安定な【Mg_4】【Si_4】【O_(12)】-【Mg_3】【Al_2】【Si_3】【O_(12)】系ザクロ石の比熱測定の一環として、前年度には【Mg_3】【Al_2】【Si_3】【O_(12)】及び58%【Mg_4】【Si_4】【O_(12)】-42%【Mg_2】【Al_2】【Si_3】【O_(12)】組成のザクロ石の比熱が測定されたが、今年度にはさらに両者の中間の二種の組成のザクロ石(【Mg_4】【Si_4】【O_(12)】成分の固溶量が18%と41%)が新たに測定された。全体の比熱データを総合すると、この系では【Mg_4】【Si_4】【O_(12)】成分の固溶量に比熱がほとんどよらないことが明らかになった。この測定データからグリュナイゼンパラメータ、デバイ温度が計算された。 2.下記の珪酸塩・ゲルマン酸塩の高圧相転移に伴う転移エンタルピーが測定された。 (1)MnSi【O_3】のロードナイト→輝石→ザクロ石転移(60年度に行われた)。(2)CaGe【O_3】の珪灰石→ザクロ石→ペロブスカイト転移(3)CdGe【O_3】の準輝石→ザクロ石→イルナナイト→ペロブスカイト転移(4)【Mg_4】【Si_4】【O_(12)】-【Mg_3】【Al_2】【Si_3】【O_(12)】系の輝石→ザクロ石転移これらの転移エンタルピーから計算された相境界線と高圧相平衡実験により独立に決定された相境界線が比較され、どの場合も実験誤差範囲内で良い一致を示すことが確認された。MnSi【O_3】、CaGe【O_3】、CdGe【O_3】の転移エンタルピーのデータはマントルで起こるMgSi【O_3】の同種の転移のデータを推定する上で貴重である。今後MgSi【O_3】自身のザクロ石→イルナナイト→ペロブスカイト転移に伴う転移エンタルピーを測定することが必要であり、試科の合成、測定を計画中である。
|