配分額 *注記 |
13,100千円 (直接経費: 13,100千円)
1987年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1986年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1985年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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研究概要 |
サブミリ波の発振を最終的な目標として, 高調波ジャイロトンの研究を行い, 次のような成果を得た. 初年度から2年度前期では, 従来のジャイロトロン実験装置を用いて, ジャイロトロン管東芝製E3953Aによる高調波ジャイロトロンの実験を行い, 共振器高次モードによる2次, 3次の高調波動作の発振確認と出力特性を行った. これより, 30〜165GHz帯域で多数の高調波発振を確認し, その最適動作条件を実験的に求めた. また, 出力測定から高調波次数nに対する出力のスケーリング則を得た. 他方, 高調波数化の実験を行うために, ミリ波・サブミリ波高調波ジャイロトロン装置系の整備として, ミリ波立体回路の高調波数化と主磁場の高磁場化とが必要となり, 220GHz帯立体回路分光装置と, さらに, サブミリ波用準光学的分光装置の試作を行った. 主磁場は8T超電導磁石装置をクライオスタットも含めて整備した. 2年度後期から最終年度には, 新しく整備されたミリ波分光装置と主磁場とを用いて高調波数化の実験を行い, 2次高調波動作で立体回路の最高周波数帯である216GHz(400W)までの発振を得たほか, 基本動作では130〜195GHz(1〜5W)の発振も合わせて得た. 他方, 高調波ジャイロトロンの高効率化という観点から, ジャイロペニオトロン管E3957を用いて, ジャイロペニオトロンの実験を行い, ペニオトロン動作の実験的検証を行い, 3次高調波動作において出力8kW, 効率7%という基本動作と同程度の出力と高効率を得た. 以上の結果から, 高調波ジャイロトロンはミリ波からサブミリ波領域に渡る光源として, 非常に有望視でき, また, サブミリ波高調波ジャイロトロンの実現の可能性に対する, 十分な予見を得た.
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