配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
1987年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1986年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1985年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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研究概要 |
光照射方式のacカロリメトリを用いた薄膜材料の熱拡散率の測定方法について, 測定原理を考察し, その理論的設計を行い, 適応範囲を理論的実験に検討し, 測定装置として完成させた. この測定では厚さdの薄膜材料の表面に周波数fの断続光を当てる. そのとき, 断熱光の当たる一部分に光に遮ぎるようにマスクを置き, マスクを薄膜材料の表面に沿って左右に動かす. その移動距離lの関数としてマスク下にある薄膜材料上の一点における交流温度振幅を測定する. 移動距離に対する交流温度振幅の変化により減衰定数Kを決めることができる. 減衰定数Kは熱拡散率DとK=(πf/D)^<1/2>の関係があるので, 結局Dが求まる. 以下にこの方法の特徴を述べる: 1.試料の厚さdは熱拡散長1/Kより小さければ測定ができる. 2.熱拡散率の小さい高分子膜から大きいダイヤモンド膜まで, どのような大きさの熱拡散率をもつ薄膜においても測定ができる. 3.マスクの端で光が完全に遮断されなく, 光のもれがあってもその幅がマスクの移動距離に比べて小さければ問題とならない. 4.交流温度振幅の検出には熱電対を用いると簡便であるが, 熱電対を接着剤で止めた場合に求まる熱拡散率の値には影響を与えない. 5.多層膜構造から成る材料の熱拡散率の評価が行える.
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