研究概要 |
本研究は構造信頼性工学にもとづいて, 理論的根拠と実用性を備えた強度設計及び強度保証試験のための実際的手法を開発することを目的としたもので, 確率分布形を用いない手法と確率分布形を用いる手法のそれぞれを開発し, さらにコンピュータプログラムの作成を行った. 1.分布形を用いない手法の開発 (1)平均値と分散のみによる破損確率の上界を用いる手法:これは本研究の最も主要な課題である. 線形計画法を用いた計算の結果, 強度と荷重の分布特性に特別の条件を課さない場合の上界として, 従来の式より約50%低い上界を与える計算式を得ることができた. そこでこの式を用いた設計及び試験の方法を開発し検討した. さらに本手法に関連して, 二次モーメント法の信頼性指標の検討を行った. (2)構造用セラミックスの保証試験方法:除荷中に破壊する可能性を考慮して, 必要な最小強度を保証するプルーフテストの方法を開発した. (3)ファジィ理論を応用した手法の開発:主観的あいまいさを設計や試験に定量的にとり入れるため, 複数の主観的評価を結合する手法を開発した. 2.分布形を用いる手法の開発 (1)変動荷重疲労に対する信頼性設計手法:破壊を生ずるための限界累積繰返し数比と機器に負荷される累積繰返し数比の両方のばらつきを考慮に入れた実用的な設計手法を開発した. (2)低サイクル疲労に対する信頼性設計手法:ASMEのボイラ・圧力容器規格にもとづく手法を検討し, より合理的な手法を開発した. 3.コンピュータプログラムの開発 論理プログラミング言語PROLOGを用いて, FTAのためのFT自動作成プログラムを開発した.
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