配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1987年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1985年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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研究概要 |
本研究は, 半導体などの低抗体を電極とした放電加工によって, 数百cm^2の面積を持つ金型キャビティに対して数μm程度の精細な加工面を迅速に仕上ることを実用化しようとするものである. 通常金型の加工においては, 初段においてNC切除加工を行ない, 次にカッタマークを除くために放電加工で仕上る. 放電加工の段階では, 電気条件を切り換えることにより, 荒加工から仕上加工まで数段を要する. 従来大面積に対する放電仕上加工では, 極間の静電容量の故に, 1回の放電電流を小さく制御することが不可能であった. 本研究では抵抗体を電極として, 上記静電容量を実質的に自然分割させて目的を達しようとするものである. 研究の対照は主に次の2点に絞られた. 第1は低抗体としての半導体を電極の形状に仕上る加工法の確立であり, 第2は, 金型加工における一連のプロセスの中への本仕上加工法の適用であった. 前者に関しては, 鋳造成形された金属シリコンに対して機械加工, 超音波加工, 銅電極による放電加工, などを試みた. その結果, 前段の銅電極による荒または中仕上加工の結果得られた形状に適合するような形状を金属シリコンに対して付与することは, 基本的には可能となったが, 加工能率の点で問題が残る. 後者に関しては, 前段の放電加工で得られた粗面をシリコン電極で取除く事が必要であるが, 電極の消耗率が10数倍にも達するため, 電極の高速運動や, 揺動パターンに工夫を凝して見たが, 実用上の観点からは十分とは言えない. そこで, 放電分散の基本に立ち返って考察を加えた結果, ソリッドのシリコン電極による加工に固執せず, 極間加工液にシリコン粉末を混入させて銅電極を用いる加工法を着想した. 銅電極によっても極間のシリコン粉末を介して放電が分散することをつきとめ, 前掲の諸問題は一挙に解決され, 当初の目的は達せられた.
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