研究課題/領域番号 |
60850033
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松本 洋一郎 東大, 工学部, 助教授 (60111473)
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研究分担者 |
照屋 功 東京大学, 工学部, 助手 (10188691)
川田 達雄 東京大学, 工学部, 助手 (00010851)
佐藤 行成 日本科学工業, 技術本部, 開発マネージャ
加藤 洋治 東京大学, 工学部, 教授 (00010695)
大橋 秀雄 東京大学, 工学部, 教授 (90010678)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
1986年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1985年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | キャビテーション / 気泡核分布 / 光散乱法 / モンテカルロシミュレーション / 二焦点レーザ流速計 / レビテーション |
研究概要 |
光散乱法を用いた機動性の高い気泡核分布測定装置を開発した。本装置の特徴は、以下の通りである。(1)液中の気泡核と固体粒子の区別がつく。(2)直接主流中の気泡核分布が測定できる。(3)データの実時間処理が可能である。本装置の開発に当たり、まず、光散乱法の根拠となるMIEの理論を厳密に計算し、様々な光学系につきその集光効率、視界強度分布を求めた。この結果レーザ光が入射してくる方向をθ=0°φ=90°流れ方向をθ=90°φ=90°とし散乱光をθ=90°φ=約±15°の2方向で捕らえることにした。次に、モンテカルロシミュレーションを行い、測定視界内に強度分布が存在する場合、どのように気泡核分布が測定されるか計算し、測定された分布を元に戻す補正の計算式を考案した。結局、真の分布を求めるためには、5000個程度の気泡について測定を行う必要があること、またこれ以上の個数の気泡について潮定を行えば、補正により真の分布が再現できることがわかった。装置は、全体を光源部、キャビテーションタンネルに取り付けるプローブ部、光電変換部、データ処理部の4つに分け、機動性向上のため、前3つを光ファイバで結んだ。これにより、従来、測定毎に調整しなければならなかった光学系の調整が、全く不要になった。2方向の散乱光強度の検出には、光電子増倍管をもちいた。処理部では、2CHの信号のうち同時にきた信号だけを抽出し、さらに2CHの波高値を比較、2倍以上の強度差がある場合には、固体粒子からの散乱光であると判断しデータを捨てた。さらに、補正をかけた後、データを整理した。この気泡核分布測定システムを用い東京大学船舶工学科加藤研究室のキャビテーションタンネルで、フィールドテストを行った。この結果、溶存空気量が変化すると、気泡核分布に有意な差が現われることがわかった。また得られたデータを過去の気泡核分布測定例と比較すると、良好な一致が見られた。
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