研究分担者 |
高崎 講二 九州大学, 工学部, 助教授 (30154769)
村瀬 英一 九州大学, 工学部, 助教授 (60150504)
城戸 裕之 九州大学, 工学部, 教授 (50037959)
小野 信輔 九州大学, 工学部, 教授 (80037738)
EIICHI MURASE Associate Prof. Kyushu University
HIROYUKI KIdO Proc. Kyushu University
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研究概要 |
1.ディーゼル噴霧の燃焼特性を基礎的に調べる目的で, 新しい形の単圧縮試験装置を創案し, 試作した. この装置は無理のないクランク機構により, 定常的な駆動運転を行いつつ, 特定の1サイクルのみ圧縮し, 単噴射を行うものであり, 従来の急速圧縮装置のような衝撃的な動作を伴わずに実験を行うことができる. また, 圧縮初期の圧力, 温度をあらかじめ上昇させる予圧, 予熱タンクを装備することにより, 燃料噴霧の点火や燃焼特性に重大な影響を及ぼす温度と圧力の影響を分離するとともに, 小さい圧縮シリンダで大きな燃焼室を得ることができた. 2.点火おくれ時間τに対する雰囲気温度T.圧力P.燃料噴射圧力, 及びスワールの影響を調べた結果, τは次式で整理できることがわかった. τ=AP^Bexp(C/T) ここで, A,B,Cは噴射圧力, 噴口径, スワールの有無により異なる定数である. また本実験範囲では噴射圧力が20MPa程度以上になると, その増大が点火おくれにほとんど影響しないことがわかった. スワールが有ると, 雰囲気温度が高い場合は点火おくれを短縮するが低い温度では逆転し, スワールが無い場合の方が短くなることが明らかになった. 3.噴霧の点火後における急激燃焼期間の特性について, 噴霧の運動量理論を基礎にした初期発熱率係数でηを定義し, ηに及ぼす各種要因について検討した. その結果, ηは雰囲気温度と圧力の上昇に伴い増加するが, 燃料噴射圧力の増加には関係なくほぼ一定値を示す. またηはスワールが有る場合の方が無い場合より大きな値を示す. またηはスワールが有する場合の方が内ばあいにり大きな値を示すことなどが明らかになった. 4.高速度シャドウ写真により, 各種条件による燃料噴霧の軌跡と点火位置及び時間, さらにその燃焼状態を観測して, 圧力測定から得られた点火特性や熱発生率特性などとの対応を示した.
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