研究分担者 |
西山 正章 東京都立科学技術大学, 航空宇宙システム工学科, 助手 (30099353)
田代 伸一 東京都立科学技術大学, 航空宇宙システム工学科, 助教授 (30149356)
白鳥 敏正 東京都立科学技術大学, 航空宇宙システム工学科, 助教授 (10107162)
桜井 忠一 東京都立科学技術大学, 航空宇宙システム工学科, 助手 (50099339)
後藤 登 東京都立科学技術大学, 航空宇宙システム工学科, 助手 (50099363)
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研究概要 |
超小型水素ガスタービンの開発研究においてこの3年間に達成されたことを当初に設定した目標に照らして概括すると以下のようになる. (1) 水素の燃焼特性を生かした超小型燃焼器の開発:旋回流型燃焼器(内容積125cm^3)を開発し, 安定な燃焼特性と極めて高い燃焼負荷(3x10^8aAl/(m^3 h atm))を得ることに成功した. (2) 自動車用小型ターボチャージャのガスタービン用圧縮機・タービンへの転用と試作燃焼器とのマッチング:ターボチャージャの許容設計範囲内での自立運転に成功した. また, 負荷に排気ノズルを用いて出力を維力として, 取り出した. 実験した範囲内での最高維力は11.3N(面積比0.65のノズル, 約15x10^4rpm, 全圧損失率11%)であったが, 出力取り出し用に設計された圧縮機・タービンを用い, また流路全体の流動損失を低減すれば従来にない小型高性能ガスタービンの開発が可能との見通しを得ることができた. (3) 水素ガス燃料のコントロール技術・知識の蓄積: 遠隔操作により安全かつ安定して燃料を供給するシステムの製作に成功し, 燃料供給量のコントロールによる水素ガスタービンの運転制御手法を確立した. (4) 熱流体力学的データの多点計測・処理システムの開発: パソコンとA/Dコンバータ, 各種センサとの結合により安価で効率的な計測処理システムを製作してガスタービンシステム各部の温度・圧力などの経時変化をリアルタイムで計測することに成功し, システム各部を今後設計・改良するためのデータを得ることができた. 以上, 本試験研究は全体として当初の目標を達成することができたとみなせるが, 水素貯蔵合金や液体水素を用いた計量・簡便な水素燃料供給システムの開発が, ガスタービンに限らず燃料としての水素の利用範囲を飛躍的に拡大するための今後の不可欠な技術的課題である.
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