研究概要 |
自動車廃ガス処理用に用いられるセラミック製ハニカム担体に細胞電極を配して小型オゾナイザを作り, その性能を調べたが予価実験程の効率が得られなかった. そこで, 金属酸化物(セラミック)表面のオゾン生成効率におよぼす影響を調べた. 即ち, 従来オゾン生成は放電空間に発生した酸素原子ラディカルが酸素分子と反応する. いわゆる空間反応によって生じるとされていた. しかし空間反応のみを利用していたのでは, オゾナイザの効率はすでに限界に達しており, これを突破することは出来ない. そこで, 酸化に対して安定な金属酸化物粉体をオゾナイザの放電空間に入れて, その表面の触媒作用を有効に利用することを計画した. 30種類以上の金属酸化物について, オゾナイザ放電空間にそれらを入れた時のオゾン収率を調べた. 自動車廃ガス処理用の白金触媒処理をしたセラミック(コージライト系)は, オゾン収率を著しく低下させる. 同様にニッケルの酸化物も収率を低下させる. 金属酸化物を用いた実験は最近の高温超電導に関する実験結果にも見られる如く, 結果にバラツキが大きい. 同様のことが, 金属酸化物粉体のオゾン収率に及ぼす影響においても見られ, 高収率を得られる場合の再現性に乏しい. しかしながら, 前述した収率を低下させる場合は確実に効果的であることが判った. このように再現性に乏しいとわ云え, 収率を高める金属酸化物も見い出された. V_2O_5;lloO_3,WO_3等が効果を有するようである. その他, 本研究ではボルツマン方程式を解くことにより, 純酸素オゾナイザにおいて, 電子に与えられたエネルギーの85%が最も条件が場合において, オゾン生成に使われることを明らかにした.
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