研究課題/領域番号 |
60850061
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
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研究機関 | 東北大学 (1986) 広島大学 (1985) |
研究代表者 |
森田 瑞穂 東北大, 工学部, 助手 (50157905)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
1986年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1985年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | 低温酸化 / シリコン酸化 / 弗素触媒 / 光酸化 |
研究概要 |
1.弗素増速酸化によって成長した弗化酸化膜をウェット酸素中でポストアニーリングを行うと、酸化膜中の弗素原子量をより効果的に制御でき、その結果純粋なSi【O_2】膜に近い組成の酸化膜が600℃の低温で得られることを明らかにした。これは、弗化酸化膜中のシリコン-弗素結合がOH基と反応し、シリコン-酸素結合を生成すると共に弗素はHFとして除去されるとするモデルによって説明される。ウェット酸素中でアニーリングした酸化膜(100〜200A)を絶縁膜としたMOS構造の界面トラップ密度は8×【10^(10)】【cm^(-2)】e【V^(-1)】であり、絶縁耐圧は8MV/cm以上である。2.弗素増速酸化法を用いて窒化酸化膜を800℃以下でも生成できる新しい方法を開発した。弗化増速酸化膜の酸化と同じ温度でのアンモニアガス中でのポストアニーリングによって、800℃以下でも十分窒化されることを見い出した。これは、弗化酸化膜中のシリコン-酸素結合がシリコン-窒素結合に置換されるのに加えて、シリコン-弗素結合がシリコン-窒素結合に置換されるためである。弗化酸化膜の絶縁耐圧は、窒化によって改善され、窒化酸化膜はアルカリイオン汚染に対して保護膜として働くことを明らかにした。この窒化酸化膜は、低温で成長できる新しい絶縁膜としての可能性を有している。 3.高品質の薄いゲート酸化膜は、ウルトラクリーンテクノロジー(ウルトラクリーンガス供給装置、ウルトラクリーン反応管を有する赤外線ランプ加熱装置等)を駆使することによって生成可能であることを実証した。Si【O_2】-Si界面の界面トラップ密度はシリコンのバンドギャップ中央付近で【10^9】【cm^(-2)】e【V^(-1)】のオーダーであり、Si【O_2】の絶縁耐圧は10MV/cm以上である。
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