研究課題/領域番号 |
60850068
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子機器工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉川 潔 京大, 原子エネルギー研究所, 助教授 (00027145)
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研究分担者 |
督 寿之 京大, 原子エネルギー研究所, 教務職員 (70093276)
山本 靖 京大, 原子エネルギー研究所, 助手 (50158309)
服部 嘉雄 京大, 原子エネルギー研究所, 教授 (70027118)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1986年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1985年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | イオン源 / ホールアクセラレータ / 定常大電流ビーム / 低エネルギービーム / ホールアクセラレーター / 大電流低電圧ビーム |
研究概要 |
試作した大電流低電圧動作定常イオン源(Hall Accelerator in Low Voltoge Operation;HALOC)の水素ビーム引き出し特性を調べた。HALOCの動作を決定する独立変数は、圧力、磁場及び電流であり、これらの関数として引き出しビーム電流、エネルギー分布、V-I特性、エネルギー効率等がどのようになるかを、圧力=0.93〜10.6(Pa)、B=0〜190(Gauss)、It=0.1〜3.0(A)の領域で調べた。又実験は中間電極のみに正電圧を印加し、他の陽極、陰極は接地して行なった。その結果水素ビームについて、最大約3A程度の電流を加速電圧600V程度で数時間連続に引き出すことに成功した。とくに、圧力をバラトロンセンサーを用いて制御することにより安定なビームを得ることが出来、またビーム点火についても、フィラメントなしに、単に圧力を20Pa程度に上昇させるだけで行なえることが判明した。引き出し電流効率は70〜90%にあり、引き出し電流と電源電流は良好な比例関係にあることが判明した。さらにマルチグリッド型エネルギー分折器を用いて、引き出しビールの分布を測定したところ、加速電圧約1/2の電圧の付近に鋭いピークが見られ、半値幅とピーク値の比は約10%であった。またこのエネルギー分布から計算される平均エネルギーは、条件によるが260〜360Vとなり、エネルギー効率は30〜70%であることが判明した。以上の結果、本試験研究で製作したホールアクセラレータ(HALOC)は、フィラメントなしに、長時間(延実績100時間)運転が可能で、3A程度の大電流で、かつ急峻なエネルギー分布をもつ水素ビームを安定に発生出来ることが判明し、本試験研究の当初の目標を実証することが出来た。今後はビームエネルギーの更なる低圧下、並びに他のガス、特に酸素イオンビーム引き出し実証を行なうことが要請される。
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