研究課題/領域番号 |
60850073
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
計測・制御工学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
星宮 望 北海道大学, 応用電気研究所, 教授 (50005394)
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研究分担者 |
半田 康延 信州大学, 医学部, 助教授 (00111790)
中村 鎮雄 北海道大学, 応用電気研究所, 助手 (50001805)
二見 亮弘 北海道大学, 応用電気研究所, 助手 (20156938)
伊福部 達 北海道大学, 応用電気研究所, 助教授 (70002102)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1986年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1985年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 感覚 / 感覚フィードバック / 電気刺激 / FES / ファントムセンセーション / 感覚代行 |
研究概要 |
事故・腫瘍などにより頸髄を損傷すると、脳から四肢への神経情報が伝わらないため四肢麻痺になると共に、四肢から中枢への経路も遮断されるため感覚が喪失する。本研究では、末梢の神経・筋系を機能的電気刺激(FES)によって制御するときに惹起される手指の位置の変位・把持力などの量を患者本人の肩への皮膚刺激を介して感覚量としてフィードバックするシステムを開発するための基礎を確立することが目的である。本年度は計画の第2年度にあたり、昨年度に得られた基礎的なデータをもとに、次に示すように電気刺激によるファントムセンセーション(PS)に関する心理物理特性について調べ、システムの設計に資する知見を得た。 (1)2組の電極対間を1つに融合した刺激像(PS像)が滑らかに移動して感じられるように、電極対に印加する刺激電流の振幅を等感覚曲線に沿って時間と共に相補的に増・減させる新しい刺激法を考案した。(2)刺激振幅の平均値が知覚閾値の2倍程度でPSが知覚されやすい。(3)刺激点間路離が電気刺激に対する空間分解能(約40mm)よりもやや広い時(60〜80mm)にPSが最もよく感じられる。(4)刺激の周波数が振幅の変化の周波数に比べ、充分に高い場合(100pps以上)にPSが知覚されやすい。(5)刺激像の移動感をもたらす振幅の変化の周波数が1〜2Hzの時にPSが最もわかりやすい。(6)PSは、2点間のみでなく3点以上の刺激点にわたり広い範囲に感じることができる。(7)刺激振幅の変化量を加減すると、これに対応して刺激像の皮膚上の移動範囲が変化して感じられる。この差異の識別によって情報の伝達を行うことができる。特に3点間では正答率を高くすることができ、確実な情報伝達の手段となりうることが示された。 以上の結果を踏まえ、実用的なシステムを開発することが今後の課題である。
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