研究分担者 |
滝沢 耕一 (株)立石ライフサンエンス研究所
須崎 琢而 (株)立石ライフサイエンス研究所
塩川 祥子 静岡大学, 工学部, 助教授 (50016599)
市村 国宏 工業技術院, 繊維高分子材料研究所, 通産技官
TAKUYA Takizawa Tgatgeishi Life Science Laboratory Cooperation
KUNIHIRO Ichimura Research Institute for Polymers and Textiles
市村 国広 工業技術院, 繊維高分子材料研究所, 通産技官
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配分額 *注記 |
11,000千円 (直接経費: 11,000千円)
1987年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1985年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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研究概要 |
病気の診断, 治療のために, 体液中に存在する各種微量有機物を小量の検体(血液, 尿など)のもとに, 迅速かつ高感度に計測する手段が望まれている. 本研究では集積回路技術と酵素固定化膜技術を用い, 小型かつ複合機能化したバイオセンサの開発を行なった. まず, 水素イオン感応性ISFET表面にウレアーゼを固定化し, 尿素センサを作製した. これは, ウレアーゼが尿素を分解した際起こすpH変化をISFETで検出するセンサである. グルコースおよび尿酸のセンサは, 光感応性PVA(Poly Vinyl Alcohol)の酵素固定化膜と金薄膜のH_2O_2電極を使い実現した. すなわち, ガラス基板上に3個の金薄膜電極を蒸着し中央は共通カソード, 左右をアノードとした. アノード上には, アセチルセルロース膜と酵素膜を積層した. グルコース検出にはグルコース酸化酵素, 尿酸検出にはウリカーゼを使った. 両酵素はグルコースおよび尿酸を酸化し, H_2O_2を発生する. H_2O_2はアノード上で酸化され, このときの電流よりH_2O_2発生量, さらにグルコースおよび尿酸の濃度を知ることができる. アセチルセルロース膜はH_2O_2を選択的に透過させ, 体液中の還元性物質(例えばビタミンC)がアノード上に到達し, 酸化され妨害電流が発生するのを防ぐ. このセンサチップを試料溶液に浸したときの応答を調べたところ, 両センサはグルコースおよび尿酸に選択性高く応答し, 直線感度範囲は, それぞれ0〜50mg/dl, 0〜5mg/dlであった. 臨床計測用には若干高濃度側の感度が不足するが, 膜構造を改善すれば充分使用できるものになる. 最後に, これらのセンサの実用性をチェックするために簡易なフロー試験装置に組み込み実用試験を行い, 自動測定装置に本センサを使うための基礎実験を行なった. さらに, ホームヘルスケア用グルコースセンサの開発を試み, 商業化のためのプロトタイプを作製した. 以上により, 集積回路技術を使った小型バイオセンサの実用化に見通しを得た.
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