研究課題/領域番号 |
60850083
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
船舶構造・建造
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
上田 幸雄 阪大, 溶接工学研究所, 教授 (30029037)
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研究分担者 |
村川 英一 大阪大学, 溶接工学研究所, 助手 (60166270)
藤久保 昌彦 広島大学, 工学部, 助手 (30156848)
中長 啓治 大阪大学, 溶接工学研究所, 助手 (10112070)
石浜 高明 センチュリリサーチセンタ株式会社, 部長補
ISHIHAMA Takaaki Century Research Center Corporation, Assistant Manager
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
1986年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1985年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | 高張力鋼 / 高張力鋼の適用性 / 溶接初期不整 / 最終強度 / 上甲板パネル / 補強板 / 有効性初期たわみ係数 / HT係数 / 甲板 / 初期たわみ / 残留応力 / 圧壊強度 / 推定法 / 有効初期たわみ係数 / 軟鋼 |
研究概要 |
本研究では、船体の上甲板を対象に最終強度の観点から高張力鋼の適用性を評価するシステムを開発した。 上甲板のようにロンジ材およびトランス材に囲まれたパネルには必然的に溶接初期不整が生じる。そのため、まず、この影響を考慮した最終強度評価システムを開発した。。すなわち、パネルの寸法,鋼種,溶接条件が指定されると、溶接変形および残留応力が簡単に精度良く推定できる方法を考案した。次に、種々のアスペクト比を有する矩形板について、圧壊強度に及ぼす初期たわみの影響を分析し、圧壊強度に直接影響する初期たわみ量を与える有効初期たわみ係数を合理的に決定した。これによって、パネルの圧壊強度が簡単に、しかも精度良く推定できるようになった。 高張力鋼の適用性を示す指標として、HT係数が用いられている。これは軟鋼材の強度と等しい強度を与える高張力鋼の板厚比として定義されている。ここでは、軟鋼HT32,HT36に対してパネル寸法を組織的に変化させて、実際の建造時における溶接条件をもとに初期不整を求め、それを含んだ板の圧壊強度を本研究で開発した最終強度推定法を用いて計算した。さらに、この結果から、それぞれの鋼種に対するHT係数を計算した。 また、船級協会のルールで規定されている腐食衰耗は20年間で25mmとされているので、これを考慮した場合のHT係数を計算した。以上では、パネルに高張力鋼を使用した場合のHT係数を系統的に計算し、その適用性を容易に評価できるシステムを開発した。 一方、補強板に高張力鋼を使用する場合には、パネルのようにHT係数を用いて簡単にその適用性を評価することはできないので、具体的な対象に対して最終強度を計算し適用性を考察せねばならない。そのために必要な補強板の最終強度推定システムを開発した。
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