研究分担者 |
竹中 裕文 (株)春本鐡工所, 設計部, 課長代理
栗田 章光 大阪工業大学, 工学部, 講師 (90121798)
渡辺 英一 京都大学, 工学部, 教授 (30026174)
藤井 学 京都大学, 工学部, 教授 (30031074)
TAKENAKA Hirohumi Chief Engineer,Harumoto Iron Works Company Ltd
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研究概要 |
本研究は, プレキャスト床版を用いた合成桁に新しい試みを加えた工法(以下, PPCS工法=Precast Prestressed Concrete Slab Method)で施工した連続合成桁を対象にして, 一連の実験を行い, このPPCS工法で設計する連続合成桁のクリープ・リラクセーション現象に関する実用的な計算方法を提案するために必要な資料を得ようとしたものである. まず, 昭和60年度の初年度には, 別途, 実施した大型模型桁によってPPCS工法で施工した合成桁の静的挙動および耐荷性を確認のうえ, 小型模型桁によりクリープ実験を行うための計画を立て, 設計・製作・据付を行った. その内訳は(1)プレキャスト床版単体の試験体3体, (2)単純合成桁模型3体, および, (3)連続合成桁模型1体とした. それらに, ひずみ計, 変位計および反力計を取り付け, 各種の荷重を載荷して, 昭和60年10月から経時挙動の測定を開始し, その後, クリープ現象が終了したと考えられる昭和62年10月の2年間にわたる測定を行った. つぎに, 昭和61年度には, 粘弾性学に基づく合成桁のクリープ・リラクセーションに関する理論的研究を行うとともに, 前年度得られた約6ヶ月間にわたるデータと比較し, PPCS工法によって製作された連続合成桁のクリープ・リラクセーションを解析するための手法を開発した. また, 仮想ヤング係数法による連続合成桁のクリープ応力をマトリックス構造解析法で求める実用的な計算法についても検討を加えた. 最後の昭和62年度には, 約1年6ヶ月間の実測結果を用い, クリープ・リラクセーションに関するパラメーターの再同定を行い, 粘弾性学に基づく種々なパラメトリック解析を行ってその特性を明確にした. また, 実橋への適用法などを検討した. さらに, 今後, 行うべき研究の方向, および, 問題点などについても指摘した.
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