研究課題/領域番号 |
60850092
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
コンクリート工学・土木材料・施工
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小林 一輔 東大, 生産技術研究所, 教授 (10013096)
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研究分担者 |
大門 正機 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10016579)
大浜 嘉彦 日本大学, 工学部, 教授 (40102579)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1985年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | コンクリートの耐久性 / 鉄筋の腐食 / 合成高分子材料 / コンクリート表層部 / 含浸 / セメント硬化体の細孔構造 |
研究概要 |
本研究はコンクリートが多孔材料であることを利用して、コンクリートの表層部分に有機質材料を含浸せしめ、塩素イオンや酸素などの腐食因子の不透過層を形成させることによって、コンクリートの中の鋼材を長期にわたって効果的に防食する手法を確立することを目的として実施したものである。 昭和60年度ならびに61年度の2年間に実施した研究の概要を以下に示す。 1)表面から含浸材を浸透させる部分であるとともに、腐食因子の侵入径路でもあるコンクリート表層部を対象として、物質移動と組織構造との関係を調べた結果、この部分を通じての物質移動が細孔よりも収縮などによって発生するマイクロクラックに大きく依存することが明らかとなった。この結果は、本研究のように含浸を目的とする場合のみならず、腐食因子の外部からの滲透機構に関しても従来からの定説に新しい知見を加えたものである。 2)本研究の目的に適する含浸材の開発を進めるに当り、市販のものも含めて各種の含浸材の性能評價を実験した結果、アルキル・アルコキシ・シラン系の塗布浸透型含浸材がすぐれた塩化物遮へい効果を有することが明らかとなったので、この系統の常温反應硬化型の含浸材の開発研究を行った。 3)含浸材のコンクリート表層部に対する含浸度を定量的に評價する手法について検討を行ない、含浸材の含浸深こそ非破壊試験によって測定するための高周波抵抗測定装置を試作した。 4)市販の2種の含浸材を含浸させた小型鉄筋コンクリート梁を海洋飛沫滞に3年間暴露させた結果、含浸処理を行わない梁では鉄筋に発錆が認められたが、含浸処理を行ったものはいずれも全く発錆が認められず、防食効果が確められた。
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