配分額 *注記 |
12,000千円 (直接経費: 12,000千円)
1987年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1985年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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研究概要 |
河川の治水安全度を向上させることは社会・経済的に見て重要である. このためには技術の開発が必要であるが, 主として水理学の観点から研究をい, 河道の設計技術をある程度確立することができた. その内容は次のようである(1)水衝部の水理:実際の河川では河幅, 河床が三次的に変化するため, その中の流れは複雑になる. これを先ず浅水開水路方程式を用いて実際の流況を明らかにし, 特に水衝現象を定量的に把握できるようにし, また洪水時には時間的に河床形状が変化するが, その変化過程を明らかにし, そのために生ずる側岸に突き当る流れを斜め突堤を用いて模擬した実験を行い, 側岸に及ぼす壁面せん断力を見積れるようにし, 護岸の設計指針を与えることができた. (2)横断面内の土砂移動:河川弯曲部では横断方向の土砂移動が局所洗掘などに対し重要な問題となる. そこで, 弯曲部において生ずる土砂移動について理論的, 実験的に検討を行い, 定量的に計算できるようにし, さらに混合砂礫についても粒径分布を考えた新しい理論を構築することができ, 河川弯曲部での局所洗掘深の予測を可能にし, またその防御方法に対して指針を与えることができた. (3)河床波:洪水中には河床波が発生し, 流れに大きな影響をもつことが知られているが, その発生, 発達について理論を組み立て基礎式を導き, その数値計算が実験結果とよく一致することから, その妥当性を検証した. この結果, 河床波の発達に伴う流れの抵抗の変化, 流砂量変化を明らかにし, 安定河道を設計するために根壌を与えることができた. (4)護岸の水理:水路側面に働く流体力を実験により明らかにし, 従来明確な水理学的基準のなかった護ブロックの設計を合理的に行えるようにすることができた. 以上の他, 河川勾配の変化に対応する局所的な河床変動を境界層理論により明らかにし, 以上を総合して実用的且つ水理学的に合理的な河道設計を可能にすることができた.
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