研究分担者 |
二渡 了 九州大学, 工学部, 助手 (60173506)
古米 弘明 九州大学, 工学部, 助手 (40173546)
海田 輝之 岩手大学, 工学部, 助手 (30117072)
古賀 憲一 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (00108656)
楠田 哲也 九州大学, 工学部, 教授 (50037967)
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配分額 *注記 |
8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
1987年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1986年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1985年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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研究概要 |
3年間にわたる研究成果は以下のとおりである. 1.物質輸送量の評価式の整理 文献整理により, 従来の物質輸送量の評価式について巻き上げと沈降に主眼をおいて整理し表化した. それぞれの式には濃度等の条件があるがこれらを一括し, 使用の便を計った. 2.短期間の懸濁物質輸送量の算定手法の確立 感潮河川を対象として, 懸濁物質輸送一次元モデルを開発し, シミュレーションにより物質輸送量を算定できるようにした. このシミュレーションにより, 流れ方向の移流分散のような輸送より底泥の巻き上げや沈降の鉛直輸送の方が, 流れ方向の物質輸送量に大きく影響を与えること, 沈降物質が底泥化する速度が底泥の巻き上げ量に大きく関わること等が明らかになった. このため, これらの要因の影響を実験的に定める手法を開発した. 3.波動下での物質輸送量の評価 波の作用下においても, 底泥の水平輸送はその鉛直輸送に支配される. したがって, 底泥の巻き上げ速度について, 波高, 周期, 底泥の含水比を変数として, 実験的に関数形を明らかにした. 周期と含水比の双方とも, ある値で巻き上げ速度が最大となる. また底泥の剪断能力による圧密が重要因子であることを示した. 4.沿岸域における底泥の堆積速度の長期的変化調査 底泥面測定装置を現地に設置し, 底面高の変化を求めた. その結果, 沿岸域においては台風や時化の時にのみ底泥の輸送が生じることが明らかになった. 底面剪断応力で0.2N/m^2以上の場合である. 底泥の長期にわたる輸送は, このような突発的な自然現象に支配さているので, 少なくとも10年の単位で見なければ, 分散程度を真に把握することは難しい. また, リモートセンシングデータと堆積物の鉱物分析の比較によっても, 短期的分散と長期的分散とは, その状況が大きく異なることが明らかになった.
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