研究分担者 |
三浦 康夫 (株)大林組本店, 工務部工務課, 課長
杉本 靖彦 (株)竹中工務店, 総本店技術課, 課長
俣野 善治 (財)日本建築総合試験所, 構造物試験室, 室長
小松 勇二郎 京都大学, 工学部, 教務職員 (60109022)
藤井 栄 京都大学, 工学部, 助手 (70144334)
MATANO Zenji General Building Research Corporation
SUGIMOTO Yasuhiko Takenaka Komuten Co., LTD.
MIURA Yasuo Obayashi-Gumi Corporation
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研究概要 |
最近の鉄筋コンクリート構造の建築分野での傾向は, コンクリートの高強度化・高層化・プレファブ化と言うキィワードで表現されようが, これを健全に発展させるためには, 構造体中のコンクリートが, 所要の品質を満たしていることを確認する品質管理方法の確立が必要である. 本研究所は施工現場で容易に応用可能な構造体コンクリートの非破壊試験法として, 引抜試験法を開発し引抜試験法を組み込んだ構造体コンクリート強度の管理法を提案するもので, 得られた成果は次の通りである. 1.従来から提案されている引抜き試験法を参考にして, 建築構造物のコンクリートの非破壊試験として適当な寸法を決定し, 建築現場での作業性とコストの面から応用可能な試験装置の試作に成功した. 2.コンクリートの表層から深さ方向への強度分布を試験できる応用試験法および, 打上がり仕上げ上面で試験できる応用試験法を考案した. 3.工期1年余にわたる高層建築物の工事期間を通じて, 引抜試験法を応用した構造体コンクリート強度の管理を実施し, 慣用の品質管理法と比較検討して, 引抜試験法を品質管理に組み込むことの有効性を実証した. 4.1日2サイクルの早期脱型プレキャスト部材のコンクリート品質管理に応用し, 材令1日未満の強度管理に有効であることを実証した. 5.引抜試験固有の精度を調査し, 通常のモールドシリンダー試験3%程度, コアーシリンダー試験6%程度に対して, 引抜試験は10%程度の変動係数となることを示し, 各試験の所要試験回数について明確にした. 6.引抜き試験時の応用状態について, 現段階で可能な限界に精細な弾塑性有限要素法解析を実施し, 引抜き試験時の破壊機構を明確にした. 7.引抜き試験法を応用した, 現場打設コンクリートの構造体コンクリート強度管理システムを提示した.
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