研究課題/領域番号 |
60850144
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業化学・無機材料工学
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
稲垣 道夫 豊橋技科大, 工学部, 教授 (20023054)
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研究分担者 |
前川 和宏 東洋炭素株式会社, 研究員
近藤 照久 東洋炭素株式会社, 社長
前田 康久 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (00159138)
MAEKAWA Kazuhiro Toyo Tanso Co. Ltd. ; Researcher
KONDO Teruhisa Toyo Tanso Co. Ltd. ; President
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1986年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1985年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 黒鉛シート / 機能性 / 膨張黒鉛 / 三元層間化合物 / 炭素繊維 |
研究概要 |
1)新しい膨張黒鉛合成技術の確立-アルカリ金属-有機分子-黒鉛三元層間化合物を経由して膨張黒鉛を合成しうる。その合成プロセスでは、従来法のように強酸を用いる必要はなく、問題点がより少い。また、アルカリ金属としてはナトリウムを用いることが、操作の確実性、安価であることなどから、工業的には有利と考えられる。 2)化学活性を持つ黒鉛シートの開発-前項1)で得られる膨張黒鉛は微粒子のアルカリ金属が分散しており、天然黒鉛、従来法による膨張黒鉛、活性炭では見られない特異な化学活性を示す。たとえば、水溶液中の塩素イオンを強固に吸着する。また、硫酸を電解質とする二次電池の正極として使いうる。 3)磁性を持つ黒鉛シートの開発-前項1)と類似のコバルト-テトラヒドロフラン-黒鉛三元層間化合物から、コバルト微粒子を分散した膨張黒鉛を合成し得た。そして、これを成型することによって磁性を持った黒鉛シートを開発した。このシートは、小型で複雑な形状に加工した後の移動、保持に有利と期待される。 4)高強度黒鉛シートの開発-前項1)のプロセスによって、炭素繊維類を膨張させることができ、その膨張挙動は炭素繊維によって大きく異なり、微細組織を反映したものであることが明らかとなった。なお、炭素繊維との複合化による黒鉛シートの強靱化に関しては、解決すべき問題点が多く、成果を得るにいたらなかった。 本研究では、膨張黒鉛の状態・組成は三元層間化合物の分解条件に強く依存している。したがって、今後急熱の必要性を含めた分解条件の制御、ならびに原料として合成した三元層間化合物の均質性を含めた合成プロセスの再検討などの問題点について研究する必要がある。
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