研究課題/領域番号 |
60850147
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業化学・無機材料工学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
山口 喬 慶応大, 理工学部, 教授 (90051226)
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研究分担者 |
成宮 義和 TDK株式会社, フェライト研究部
木村 敏夫 慶応義塾大学, 理工学部, 専任講師 (70090040)
NARUMIYA Yoshikazu Ferrite Products, R & D, TDK Electronics
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1986年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1985年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | 形状異方性 / NiZnフェライト / MnZnフェライト / フラックス法 / 電磁シールド材料 |
研究概要 |
フラックス法による複合酸化物粉体の合成法を用いて、トポタクティック反応を行わせ、針状あるいは板状など形状異方性をもつフェライト粒子を合成するための条件を確立し、得られたフェライト粒子をゴムあるいはプラスティックにねり込んで複合体とし、電磁シールド材をつくり、電磁波吸収特性を測定した。得られた知見および成果の主なものは次の通りである。 1. NiZnフェライトの合成において、原料酸化鉄粒子の形状を維持したまま反応を進行させるためには、Znフェライトの溶解度の低いフラックスと、細かいNiOを用いることが重要であることがわかった。合成条件の調節によって、フラックス法あるいは水熱合成法で得た直径0.3〜20μmのいろいろの【Fe_2】【O_3】粒子を出発原料とし、KCl中900℃で板状のNiZnフェライトを合成した。同様の手法により、針状【Fe_2】【O_3】を用いて針状のNiZnフェライトも得られた。2. 高温で焼成されたMnZnフェライトと同じ飽和磁化率をもつフェライトを低温で合成するためには、フェライト中の酸素含有量の制御が重要であることに注目し、フェライト生成中の酸素の離脱が円滑に行われるためのフラックスと加熱方法を検討した。こうして、【K_2】【SO_4】をフラックスとし、【N_2】中、1150℃で所望の飽和磁化率をもつMnZnフェライト板状粒子の合成に成功した。3. このようにして得られた大きさの異なるNiZnおよびMnZnフェライト粒子を用いて電磁シールド材を作製し、電磁波吸収特性を測定した結果、同一粒径の等軸状粒子を用いた場合と比較して、共鳴周波数の改善が著しく、吸収効率もすぐれていることが明らかになった。しかしながら、共鳴周波数をさらに広汎な領域にまで押しひろげるためには、粒子径そのものよりはむしろ結晶子径を大きくすべきことが示唆された。現在この点について改善を図るため検討中である。
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