配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1987年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1985年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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研究概要 |
アニオン性および両性ラテックスを共通試料に用い, 9ヶ所の研究機関によるゼーター(〓)電位測定と4ヶ所の研究機関による臨界凝集濃度(c.f.c.)の同時測定を行い次のような結論を得た. 本電位の測定には現在市販されている主な電気泳動測定装置の総べてが含まれているので, 各測定装置の特徴と性能を比較する上でも興味がもたれたがいずれの装置も両試料に対しほゞ満足すべき結果を与え, 各装置間のデーターのバラツキは比較的小さいものであった. ただ一般の顕微鏡電気泳動法に比べ約10倍高い印加電圧下で測定を行うLager Doppler法やPEN KEM-3000を用いた場合の値は, 等電位点近傍で他の装置によるものとは異なった傾向を呈することが解った. また, 電気泳動速度の分布についてはMalvern Zetasiger-Fに比べPEN KEM-3000の方が條件に応じて鋭敏に応答することが解った. c.f.c.-値は主に静置法による共同測定の値が比較されたが, ほゞ満足すべき結果が得られた. 静置法の値を凝集速度法及び光散乱法による値と比較すると, c.f.c.-値は凝集速度法>光散乱法>静置法 の順に大きくなることが解った. 凝集速度法が凝集開始の初期状態を取扱っているのに対し, 静置法は電解質添加-昼夜後の物性を比較していることを考えるにここで得られたc.f.c.-値の順位は妥当なものと言えよう. また, 静置法においては測度の際の分散粒子の濃度によってもc.f.c.値は大きく影響されることが解った. 以上のように本研究に使用した二種類のラテックス試料は, 今の所共通試料としての大きな欠陥は見当らず, 標準コロイド試料としての條件を充分備えていることが結論された.
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