配分額 *注記 |
8,600千円 (直接経費: 8,600千円)
1987年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1986年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1985年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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研究概要 |
複素環芳香族化学の研究の途上我々が見い出した, 2-(p-またはo-ヒドロキシスチルバゾリル)ベンゾ[a]キノリジニウム塩およびその誘導体は, ベタイン型においてこれまでにはほとんど類例のない顕著なソルバトクロミズム性を示し, 種々の利用が期待される. 本研究はこれら色素の特性を生かし機能性色素としての有効性を開発するために, 色素の合成および物性の両面から研究することを目的とした. えられた研究成果を1)色素の合成と2)ソルバトクロミズム性の解析と応用とに分けて報告する. 1)2-メチルベンゾ[a]キノリジニウム塩の合成ならびに, 各種芳香族アルデヒドとの縮合反応を反応速度論的に検討し, 色素合成条件の基礎的検討を行った. 2)ベタイン型色素のソルバトクロミズムをTaft式により整理し, その固有吸収波数, 極性相互作用感度係数, 水素相互作用感度係数を明らかにし, これらと化学構造との関係を量子化学を用いて検討した. すなわち, Taft式における吸収波数項を色素の固有の吸収波数として, 化学構造との関連をあきらかにした. また, 双極子・双極子相互作用仮定により極性相互作用感度係数と化学構造との関連性を示した. さらに, 全原子価電子分子軌道理論による水素結合系の計算結果を用いて水素相互作用感度係数と化学構造との関係を解明した. 特異的な疎水場が期待できるシクロデキストリン包接系におけるベタイン型色素の挙動は若干複雑であるので, この系におけるソルバトクロミズムを主要分析法, 非線形最小自乗法により解析し, 包接系の成分数, 生成定数, 吸収スぺクトル等を明らかにした. さらに, 各種介面活性剤の分子集合系への可溶化についても検討した. 有機溶媒中における水の添加効果から選択溶媒和モデルを用いて有機溶媒中における水の構造を考察した.
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