研究課題/領域番号 |
60850159
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研究種目 |
試験研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子物性・高分子材料
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
倉田 道夫 京大, 化学研究所, 教授 (50027009)
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研究分担者 |
綱島 良祐 京都大学, 化学研究所, 教務職員 (30089130)
根本 紀夫 京都大学, 化学研究所, 助手 (90027053)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
1986年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1985年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | ブロック共重合体 / ミクロ相分離構造 / 高次構造 / 時間分割光散乱 / イメージセンサー / 光ファイバ |
研究概要 |
時間分割光散乱測定システムは次の5項目、即ち(1)試料セルをにらんで角度8゜から150゜の間に30個の測光窓を側壁に取付けた試料バスを製作したこと;(2)この測光窓から望む散乱体積を2枚の幅0.3mmのスリット系で規定する受光部を製作したこと;(3)この散乱体積から得られる各角度、同時刻での散乱光量を800μmφの光ファイバ30本によってインテンシファィヤの表面に送伝し、増幅し、これと密着する一次元光検出イメージセンサの512チャンネル上に蓄積する受光部システムを製作したこと;(4)センサ上の各チャンネル光量を高速AD変換器で掃引し、この光量を直接記憶受理領域に収納すること、更に、同様の操作を連続して繰り返す制御回路を製作したこと;(5)記憶されたデータをコンピュータで処理できるよう周辺機器システムを整備したことによって完成された。この測定システムは最高速測光速度1ミリ秒、時間分割速度3ミリ秒、分割回数100回で稼動できる。しかし、表題の共重合体溶液系を測定する場合には、安定したデータを得るために、上記の測光速度を12ミリ秒に遅くしなければならなかった。スチレン・ブタジエンジブロック共重合体-n・デカンの15ωt%溶液に本測定装置を適用し、超高次構造形成過程に関する時間分割光散乱測定を行った結果、(1)構造形成は極めて長時間にわたって成長して行くこと;(2)形成された超高次構造は僅かの熱的乱れによって急激にその秩序性を失うことが判明した。今後の研究テーマとして、(1)既述の濃厚溶液系におけるより詳細な構造形成過程の追跡、(2)混合溶媒系の特定混合比で発現するミクロ相分離構造の形成過程を、混合比を瞬時に変化させる溶媒ジャンプ法で追跡すること、(3)イオン性高分子鎖を一部に有する共重合体にPH、溶媒、温度ジャンプを与え、その時のミクロ相分離構造形成過程を追跡することが考えられる。
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